BCAAとプロテインの違いや比較をして、2つの筋トレサプリメントの優れた点をそれぞれ有効活用していきましょう。BCAAとプロテインを上手に合わせて利用することで、筋トレの効果を最大化できます。
BCAAとプロテインの違いを比較したことはありますか?
BCAAとプロテインは、どちらとも筋トレのサプリメントで、筋肉を増強して余分な脂肪を削ぎ落とし、理想な体を手に入れるために、ボディメイクのプロやボディビルダー、そしてスポーツ選手や筋トレをおこなっている一般の人にまで人気です。
しかし、筋トレのサプリメントにそこまで詳しくないという場合、BCAAとプロテインのどちらを使うべきなのか迷ったり、一緒に使っていてもどのような効果の違いがあり、互いを補完しあうのかを分かっていない場合もあるかと思います。
そこで、BCAAとプロテインの違いや比較をおこない、筋トレのサプリメントとしての両者の理想的な摂取方法やタイミングをみていきます。
目次
BCAAとは?
BCAAの定義
BCAAは、別名「分岐鎖アミノ酸」と呼ばれるもの。その中には、L-ロイシン、L-イソロイシン、L-バリンの3種類のアミノ酸が含まれています。
アミノ酸は、タンパク質を構成する最小単位であり、タンパク質が体内に入って利用される場合は、アミノ酸に分解され血流に供給されることになります。
つまり、含まれる割合はプロテインの種類によって変わってきますが、プロテインの中にはBCAAも同時に含まれることになります。
BCAAは必須アミノ酸の一部
BCAAは、人体が正常に機能するために必要ですが、体内では合成することができない必須アミノ酸に含まれています。
人間の場合、毎日必要とするアミノ酸は20種類あり、そのうち9種類が必須アミノ酸で、その中にBCAAを構成する上にあげた3つのアミノ酸が含まれています。
ちなみに9種類全ての必須アミノ酸をまとめてEAAと呼びます。
BCAAのはたらき
BCAAに含まれる3種類の必須アミノ酸は、筋肉の成長には不可欠です。
まず有名なはたらきとして、強度の高い筋トレをおこなうときに起こる筋肉の分解(異化)を防ぐはたらきがあります。
また、炭水化物を大幅に減らした食生活においては、エネルギー源となることにもあり、ある条件下でおこなう持久力を必要とする運動でもエネルギーとして使用されることになります。
他にもBCAAは、その他の必須アミノ酸と同様に筋肉量を維持し、その成長を促す役割もあります。
BCAAに含まれるアミノ酸の理想的な割合
さまざまな化学的な検証や研究による報告の結果、現在ではBCAAの中でもロイシンは、とりわけ筋肉の成長に重要であることが分かっています。
そのためBCAA をベースとした筋トレサプリメントのほとんどが1:2:1の比率でL-バリン、L-ロイシン、L-イソロイシンを配合しています。
ロイシンは筋肉の増強作用を引き起こすアミノ酸で、他の2つのBCAAとグルタミンと一緒に摂取すると効果が最も出るといわれています。
BCAAのすばらしい効果やはたらきについてみてきましたが、もちろんBCAAの3つのアミノ酸だけを摂取するのではなく、普段の食生活では全ての必須アミノ酸をしっかりと摂取するように心がけましょう。
プロテインとは?
プロテイン(タンパク質)の定義
消化されるとアミノ酸に分解される特別な分子構造をしており、このアミノ酸が体の中で新しいタンパク質となり、細胞や組織を作っていくことになります。
つまり、タンパク質は体を作る資源だといえ、どの臓器や細胞もタンパク質でできていることになるのです。これは、体の組織だけでなく、正常なホルモンを作り、分泌していくはたらきなども含みます。
ここまで体に大切な資源であるタンパク質が不足すると、人間の体は筋肉を分解して必要なアミノ酸を補おうとします。これが、いわゆる筋肉の分解(異化)です。
この筋肉の分解を抑えるためにプロテインを摂取します。BCAAは必須アミノ酸を直接摂取しますが、プロテインではタンパク質を摂取します。
タンパク質は、アミノ酸に分解されてから吸収されるので、BCAAに比べて吸収が遅くなります。しかしプロテインの方が一度に多くのタンパク質を摂取することができます。
プロテインが多く含まれる食材
肉、魚、卵、乳製品、豆類、ナッツ、一部の野菜にタンパク質が豊富に含まれています。
その中でも特に良質な動物性タンパク質を含む牛肉や鶏肉は、筋肉を作っていくうえで最も優れたプロテインを摂取するための食材であるといわれています。
他にもプロテイン(タンパク質)を、プロテインパウダーなどのサプリメントを通して摂取するといった人も多くいます。
プロテインのサプリメントについて
プロテインのサプリメントは、牛乳に含まれるタンパク質を粉末にしたもの(ホエイとカゼイン)や大豆(ソイ)から作られています。
他にも、えんどう豆や牛肉から作られているものもありますが、一般的によく利用されているのは、ホエイプロテイン、カゼインプロテイン、ソイプロテインの順番かと思います。
タンパク質を豊富に含むプロテインサプリメントの飲料(プロテインシェイク)は、手軽に必要なタンパク質を摂取できる手段のひとつ。
同じタンパク質量を食材からとろうとすると、どうしても脂質や炭水化物の摂取も多くなってしまうのを、タンパク質だけをピンポイントに絞って摂取していくことが可能になります。
栄養管理をおこなって、筋肉を効率的につけたい人や肥満を防止したいなどの目的がある人にとっては、プロテインをサプリメントで摂取するのは非常にいい方法になります。
BCAAとプロテインを筋トレサプリメントとして比較
BCAAとプロテインがそれぞれどのようなものかをみてきましたが、次に、筋トレのサプリメントとしての両者の違いを比較していきたいと思います。
BCAAとプロテインの比較として利用シーンの違いを確認
BCAAとプロテインはそれぞれ筋肉の異化を防いだり、筋肉の同化を促したりといった効果があります。
しかし、前述したとおり、BCAAはプロテイン(タンパク質)が分解された最小単位のアミノ酸であるということは、BCAAのサプリメントは摂取されてから体内に吸収されるまでに、タンパク質をアミノ酸へ分解するプロセスがないということ。
その結果、摂取してから速攻で血流へ、バリン・ロイシン・イソロイシンの3つのアミノ酸が充満していくことになります。この特性を利用して、BCAAは起床時や筋トレ中に摂取されるケースが多いのです。
それに対してプロテインの場合、種類にもよりますが、吸収までにある程度の時間を要することになり、筋トレの前後(1時間以内)に摂取されることが多くなります。
BCAAは純粋なサプリメントとしてのみおすすめだが、プロテインは食事の置き換えとしてもおすすめ
BCAAもプロテインも一般的に利用されるシーンでは、それぞれパウダー状のものを水などの液体に溶かして飲むことが多いかと思います。
しかし、BCAAのサプリメントは、カロリーがとても低いことが多くて満腹感もないため、食事をとれない時に代わりに摂取しておくといった食事の置き換えには適していません。
これに対してプロテインの場合、プロテインシェイク1杯(パウダー30gと水250ml)の平均的な栄養価として、約150-160kcalで、タンパク質も20〜25g含まれることになります。
有名なホエイプロテインやカゼインプロテイン、他のプロテインでも牛乳200mlへパウダーを30gほど混ぜて摂取すれば、それだけで300kcal程度にすることができるので、食事をとれない時の置き換えとしても利用することが可能です。
その中でも特にカゼインプロテイン(ゆっくりと消化される特徴がある)は、こってりとしていて満腹感もあり、長時間血流にアミノ酸を供給してくれるため、タンパク質が豊富で炭水化物、糖分、カロリーの少ない置き換え食としておすすめになってきます。
BCAAとプロテインは含まれるアミノ酸も違う
BCAAとプロテインを比較した場合、その含まれるアミノ酸の違いも確認できます。
すでに説明したとおり、BCAAのサプリメントには最も重要なアミノ酸のうち、L-ロイシン、L-イソロイシン、L-バリンの3種類しか含まれていません。
それに対してプロテインのサプリメントに含まれるアミノ酸は、原材料によって比率は異なるものの、大抵の場合、20種類のアミノ酸全てが含まれています。
つまり、基本的にはプロテインを摂取しながら、筋肉の異化が高まる高負荷の筋トレ中などの特定の条件下で、BCAAを摂取していくというのが、筋肉を成長させるだけでなく、体の組織を常に良好な状態にしておくためには最も適した形です。
BCAAとプロテインの違いの比較表
BCAAとプロテインの比較をまとめた表をみていきましょう。
BCAA | プロテイン |
筋肉の強度と回復に最も重要なアミノ酸3種を含む | 人間に必要なアミノ酸20種を含んでいる(比率は種類による) |
カロリーが非常に少ない | BCAAよりカロリーが高い |
食事の置き換えには向かない | 食事の置き換えが可能(特にカゼインがおすすめ) |
筋組織の回復から成長をサポート | |
トレーニング中の筋肉の異化(分解)を抑制 | |
筋トレ後の筋肉痛を最小限にする | 筋肉痛を抑えて筋トレ後の回復を促す |
持久力を高めて長い時間集中しておこなえる | 筋トレと組み合わせれば脂肪燃焼を促進 |
トレーニングを最後まで強度高くおこなうことが可能 | 筋肉以外の体組織全般にも大切 |
BCAAは摂取後すぐに吸収される特性を活かし、筋トレ中に摂取することで、エネルギーレベルを高め、高負荷にも関わらずトレーニングをよりハードにより長くおこなっていくことを可能にします。
また、プロテインもBCAAも、摂取タイミングさえ間違わなければ、トレーニング中の筋肉の異化を防ぎ、筋トレ後の筋肉痛を抑えたり、回復のスピードを高めたりします。
そこで、BCAAとプロテインを同時にとる場合は、プロテインを基本軸と置き、下記のタイミングで両者を摂取することで、筋トレによる筋肉の成長を最大限に高めることできます。
BCAAとプロテインの最適な摂取タイミング
(プロテインは最も一般的なホエイプロテインで考える)
- プロテイン
- 朝食
- 筋トレ直後
- 就寝前(※ここだけカゼインプロテイン)
- BCAA
- 起床後
- 筋トレ直前
- 筋トレ中
BCAAとプロテインの違いや比較|両者をタイミングよく摂取して効果を最大化する!のまとめ
BCAAとプロテインの比較をみてきましたが、両者それぞれ違いはあるものの、基本的には相互に補完しあう関係にあるといえます。
BCAAはあくまでも、トレーニング中の筋肉の異化を防いだり、エネルギーレベルを高めるために摂取し、プロテインはそれ以外の筋トレにおける栄養の基本軸として考えていけば、筋トレの結果を出しやすくなってきます。
ぜひ参考にして、筋トレの成果を高めていってください!