トライセプスエクステンションのやり方と効果について見ていきます。ダンベルやEZバーなど様々な器具で上腕三頭筋を集中して筋トレしていきましょう。
腕を鍛えたいと思った時、ほとんどの人は上腕三頭筋と上腕二頭筋を鍛えると思います。上腕の裏側にある筋肉で、上腕の筋肉のおよそ60%を占めているといわれる腕を太くしたり引き締めたりするためにはとても重要な筋肉です。
その上腕三頭筋を鍛える方法としてよく利用されるのが、このトライセプスエクステンションというトレーニング。上腕三頭筋を鍛えると、男性であれば太くてたくましい腕を目指したり、女性であれば上腕裏を引き締めてスリムで美しい二の腕を手に入れることができます。
上腕三頭筋を集中して鍛える二の腕の筋トレ種目であるトライセプスエクステンションのやり方と効果について見ていきます。この種目について理解して、かっこいい腕をつくりましょう。
目次
トライセプスエクステンションとは?【概要】
トライセプスエクステンションとは、トライセプス(上腕三頭筋)を集中的に鍛えていく筋トレ種目のひとつ。
名前に含まれる「エクステンション(伸展)」という言葉が示すとおり、肘を伸ばす「肘関節伸展」をおこなうことで、その肘関節の主力筋である上腕三頭筋を収縮させ、強化していくトレーニング方法です。
ダンベルやバーベル、ケーブルマシンなど様々な器具や道具を利用しておこなうことが可能で、やり方についても、立ったり、仰向けでおこなったりするものなどバリエーションも様々。
その中でも、立ち居または座位など上体を起こした姿勢でおこなうやり方であれば、特に難しいフォームやテクニックも必要ないため、基本的には初心者からおすすめ。
また、トライセプスエクステンションは、基本的な動作を正しくおこなった場合、肘関節だけが動くことになるため、単関節種目(アイソレーション種目)の筋トレとして分類されることになります。
トライセプスエクステンションのまとめ
運動タイプ | 筋力トレーニング |
筋トレタイプ | アイソレーション |
筋トレレベル | 初級者〜中級者 |
力の出し方 | 押す力 |
必要な道具 | ダンベル・バーベル・ケーブル |
メインターゲット | 上腕三頭筋 |
トライセプスエクステンションのやり方
トライセプスエクステンションには、立っておこなう、座っておこなうやり方や仰向けになるやり方、また片手でおこなうやり方など様々な方法がありますが、ここでは最も基本となる「両手でダンベルを持ちながら立つやり方」と「バーベルを利用して仰向けになっておこなうやり方」部分の2つを中心に解説していきます。
立っておこなうやり方
上体を起こしておこなうトライセプスエクステンションのやり方の中でも、最も基本となる立ち居の姿勢でおこなっていく方法を見ていきます。
- まず両足を肩幅ぐらいに開いて直立します
- 背すじは伸ばしておきましょう
- 両手でダンベルを持ち、肘を伸ばして頭上まで持ち上げていきます
- ダンベル片側のウエイト部分が、両手のひら上に乗っかるようにします
- 両方の手のひらでしっかりとウエイトを支えておきましょう
- ゆっくりと肘を曲げてダンベルを頭の後ろへ下ろしていきます
- 目安としては、前腕が力こぶに触れるぐらいまで肘を曲げていきます
- 肘は曲げるだけで肘自体を動かさないようにしましょう
- この時、肩関節は動かさないようにし、上腕は固定しておきましょう
- 息は吸いながらおこなっていきます
- 肘を伸ばしてゆっくりとダンベルを最初のポジションへ戻していきます
- 上腕三頭筋の収縮を意識しましょう
- 息は吐きながらおこなっていきます
ダンベルの代わりに、ストレートバーやEZバーといったバーベルを利用しておこなうトライセプスエクステンションも一般的。
また他にもケーブルやトレーニングチューブなども利用可能なので、様々な筋トレ器具を利用して上腕三頭筋を刺激してみましょう。
仰向けになっておこなうやり方(スカルクラッシャー)
仰向けになっておこなうトライセプスエクステンションでは、肩関節も動かしてウエイトを頭の後ろへ深く下ろしていくやり方と肩関節は固定して肘だけを曲げてウエイト頭上へ向けて下ろしていく、別名スカルクラッシャーと呼ばれるものがあります。
ここでは、肩関節を固定してバーベルを利用した場合のやり方(スカルクラッシャー)を見ていきます。
- フラットベンチに仰向けになりクローズグリップ、順手でバーベルを握ります
- 両手の幅は肩幅または肩幅より少し狭くしましょう
- 肩の真上にバーベルが来るように腕を真っ直ぐに伸ばします
- 上腕は固定したまま肘を曲げてバーベルを頭の方へ下ろしていきます
- 頭から2~3cm程度のところまでゆっくりと下ろしていきます
- 息は吸いながらおこなっていきましょう
- ゆっくりと肘を伸ばしていき、バーベルをスタートのポジションへ戻します
- 息は吐きながらおこなっていきましょう
- 上腕三頭筋を意識しながらおこなうのがポイントです
- バーベルが上に上がった時には肘を伸ばし切らないようにしましょう
この方法でも、他にも多くの器具を利用していくことが可能です。
トライセプスエクステンションのバリエーション
やり方のバリエーション①:肩関節を動かすライイングトライセプスエクステンション
上でも触れたとおり、仰向けになるライイングトライセプスエクステンションをおこなう際に、肩関節も一緒に動かしていき、ウエイトを頭の後ろへ深く下ろしていいくやり方もあります。
肩関節の深い屈曲位から肩関節の伸展動作が一部おこなわれるため、上腕三頭筋以外にも大胸筋上部や小胸筋、他にも広背筋などが関与してくることになります。
この場合、これらの肩関節を動かす筋肉が生み出した力を利用し、その勢いで肘関節も伸ばしていくことが多いため、上腕三頭筋へ負荷を集中させたい場合はあまりおすすめできません。
また、高負荷のウエイトを利用する場合は、肩関節へ過度なストレスがかかり痛みを発症してしまう可能性も考えられます。注意しながらおこなっていきましょう。
上腕三頭筋以外に他の筋肉も動かしていきたい場合に、意識的におこなってみるといった感じで取り組んでいくといいですね。
やり方のバリエーション②:ワンアームトライセプスエクスンション
また、トライセプスエクステンションのやり方で他にも一般的な方法として、片腕ずつおこなっていくというものもあります。
この場合、上腕三頭筋を鍛えたい方の手でダンベルを順手で握り、上体を起こしたトライセプスエクステンションの基本的なやり方を片手で実行していくことになります。
ただし、両手でおこなうやり方と比較して、より体幹のバランスを安定させる必要が出てくるため、トレーニング中はしっかりとお腹を引き締めて体を安定させながらおこなうようにしましょう。
トライセプスエクステンションのポイント
トライセプスエクステンションは、上腕三頭筋を集中して鍛えるのが目的であるため、基本的には他の筋肉を関与させないことがポイント。そのためには、ダンベルを上げる時も下ろす時も、上腕はしっかりと固定するようにしましょう。
上腕以外の筋肉を使っていると上腕が固定されず、動いてしまいます。特に肩関節を使ってしまうとケガにもつながってしまうので注意が必要です。
また、ダンベルを下ろす時は集中し、ややゆっくりめに下ろして上腕三頭筋をストレッチさせ、戻す時は上腕三頭筋が縮むようなイメージでやるとが効果的。
さらに、トライセプスエクステンションは、立っても座ってもおこなえる筋トレですが、立つと体のバランスを維持させるのが難しいという人の場合は座位でおこない、上腕三頭筋をアイソレート(それだけに集中させること)させるようにするのがおすすめです。
他にも、やり方のバリエーションも様々であるため、毎回同じやり方に固執するのではなく、定期的に違うやり方も取り入れながら、上腕三頭筋が同じ刺激に慣れないようにするというのも、トライセプスエクステンションで効果を出しやすくするためにはいい方法です。
トライセプスエクステンションのポイントまとめ
- 上腕は固定する
- ダンベルを上げる時も下ろす時もヒジを固定する
- ダンベルを下ろす時は上腕三頭筋をしっかりストレッチさせる
- ダンベルを上げる時は上腕三頭筋が縮むように意識する
- 立ち居でバランスが取りにくいなら座位でおこなってみる
- 様々なやり方を取り入れて上腕三頭筋に違う刺激を与え続ける
トライセプスエクステンションのやり方で他にも覚えておきたいこと
トライセプスエクステンションのやり方で次の事項も覚えておくと効果的なので確認しておきましょう。
- 動作中は顔は上げて目線は正面へ向けておこなっていく
- 動作中は体も動かさないように意識しながらおこなっていく
- 動作中に肘が横へ広がってしまうことがよくあるので、肘ができる限り正面を向くようにし、広がらないように固定しておく
- 上腕三頭筋に筋肉痛が残っている場合には、その日に上腕三頭筋の筋トレをしないようにする
- 女性の場合は、始めはペットボトルなどを利用してもいい
トライセプスエクステンションの筋トレ効果
上腕三頭筋は腕の筋肉の半分以上の体積を占め、二の腕の印象を大きく左右する筋肉。
トライセプスエクステンションでこの部分を強化すると、男性であればたくましく太い二の腕を手に入れることができ、女性は上腕の筋肉を強化することで、上腕裏の脂肪がたるんで振り袖のようになってしまうのを防ぐ効果があります。
また、鏡でボディラインを横と後ろから見ると、二の腕の裏がシルエットの印象を大きく左右していることがわかります。
このことから、上腕三頭筋が鍛えられ美しい二の腕の裏を手に入れることは、Tシャツを着こなしたり、女性の場合はキャミソールやフレンチスリーブなど着こなすためにもとても重要。
トライセプスエクステンションには、洋服の着こなしの幅を広げるといった効果もありますね。ファッションを着こなすためにも上腕三頭筋はしっかり鍛えていきましょう!
トライセプスエクステンションの注意点
トライセプスエクステンションはウエイトを頭上で扱うので、目で見えない場所で動作をおこなうことになり、見方を変えると安定性が低い筋トレ。
早く鍛えたいからといって、はじめから重いウエイトを使うと、ウエイトがグラついて頭にぶつけたり、床に落下させてしまう恐れがあります。
まずは軽めのウエイトから始め、フォームを習得したら重いウエイトへと変えていきましょう。
また、肘の伸展を繰り返していくということは、肘関節へそれだけ負担がかかるということ。
肘関節に不安を抱えている人は、ウエイトの負荷を抑え気味にしておこなったり、上腕三頭筋を鍛えながらも、肘関節の負担が比較的控えめになる、クローズグリップベンチプレスなど変わりに試してみるのがいい方法です。
トライセプスエクステンションのやり方と効果|ダンベルやEZバーで上腕三頭筋を集中筋トレ!のまとめ
トライセプスエクステンションのやり方や効果について見てきました。
上腕三頭筋は、腕の中でもとても重要なパーツ。春や夏の露出の多い時期はもちろん、セーターやニットなどの長袖を着ていても、二の腕はとても目立ちます。
かっこいい、スリムな上半身を印象付けるためにも、トライセプスエクステンションをトレーニングメニューに加えてみましょう。男性はかっこいい上腕三頭筋を、女性は美しい二の腕を手に入れられるのでおすすめの二の腕のエクササイズです!