筋トレと納豆の関係はもちろん、健康全般に与える納豆の優れた効果を見ていきます。筋肉を作るタンパク質源だけじゃない、納豆の素晴らしさを確認してみましょう。
「筋トレには納豆」という言葉は、良く耳にすることかと思います。
納豆は、近くのスーパーやコンビニなどで安く簡単に手に入り、筋肉の成長には欠かせないタンパク質を豊富に含むため、多くの筋トレのトレーニーやスポーツに励む人たちが利用しています。
そんな納豆について一度、なぜ納豆が筋トレに良いのか、そしてさらに、なぜ納豆が筋トレだけではなく、健康全般にも良いとされる食品なのかを見ていこうと思います。
まずは、納豆についての簡単なおさらいから始め、納豆が持つ筋トレに良い複数の理由を確認し、さらに健康全般にとっての優れた効果を見ていきます。
目次
筋トレに取り入れると良い納豆のおさらい
納豆と言えば、日本人なら誰でも知っている代表的な伝統食品。
ご飯、味噌汁、焼き魚、これに納豆があれば、日本の代表的な朝定食の完成。ただ、納豆は、食べる人の反応が分かれる食べ物。
その独特な匂いと食感から、最初から美味しく感じるのはまれで、何回か食べるうちにやっとその美味しさが分かるという類の味で、大の納豆好きもいれば、納豆だけは無理という人もい多くいます。
そんな納豆は、
- まず大豆を丸ごと水に浸して蒸す(または茹でる)
- そして納豆菌(バチルス・サブティリス)を付着させる
といった工程を経ることで、ゆっくりと発酵が促されていくことにより出来上がることに。
そして、詳しくは後述しますが、この「発酵」というのが、納豆が健康全般にとって優れた食品となる秘密だったりします。
筋トレはもちろん健康全般を支える納豆の栄養成分
人によっては、印象が良いとは言えない納豆。
しかし、そこに含まれる栄養成分を知れば、筋トレに励んでいる人や、健康に気をつけているほど、納豆を食べずにはいられなくなるはず。
筋肉作りに欠かせない良質なタンパク質はもちろんのこと、食物繊維、ビタミン、ミネラルの素晴らしい供給源でもあり、さらに納豆には、健康維持にとても大きな役割を果たすビタミンK2やナットウキナーゼと呼ばれる酵素が含まれていたり。
簡単に言えば、筋トレにも健康にも大切な「主要栄養素」と「微量栄養素」にプラスαの栄養成分が含まれているのが納豆です。
そんな納豆には、具体的にどんな栄養素が含まれているのか確認していきましょう。納豆100g(およそ2パック分の納豆)に含まれる注目したい栄養素を表にまとめておきます。
栄養素 | 含有量 | 1日推奨摂取量 | 1日推奨摂取量比 |
---|---|---|---|
タンパク質 | 16.5g | 60g | 28% |
鉄 | 3.3mg | 7.5mg | 44% |
銅 | 0.61mg | 1.0mg | 61% |
マグネシウム | 100mg | 370mg | 27% |
カルシウム | 90mg | 650mg | 14% |
カリウム | 660mg | 2500mg | 26% |
亜鉛 | 1.9mg | 10mg | 19% |
リン | 190mg | 1000mg | 19% |
セレン | 16μg | 30μg | 53% |
※上記の推奨値に関しては体格や年齢になどにもよって変わる
上の表で確認できる通り、納豆には代表的な栄養素であるタンパク質を始め、多くのカルシウムや鉄分、他にもカイルむ、銅、亜鉛、マグネシウム、リン、セレンといったミネラルが含まれているのが分かります。
次に、納豆に含まれるビタミン類を見ていきましょう。
栄養素 | 含有量 | 1日推奨摂取量 | 1日推奨摂取量比 |
---|---|---|---|
ビタミンK | 600μg | 150μg | 400% |
ビタミンB2 | 0.56mg | 1.6mg | 35% |
ビタミンB1 | 0.07mg | 1.4mg | 5% |
ビタミンB6 | 0.24mg | 1.4mg | 17% |
葉酸 | 120μg | 240μg | 50% |
パントテン酸 | 3.6mg | 5mg | 72% |
※上記の推奨値に関しては体格や年齢になどにもよって変わる
納豆は発酵食品であるため、加工していない大豆とは栄養素が比べ物にならない程変化します。
その発酵による変化の過程で、ビタミンAを始めとする多くのビタミン類やミネラルを失い、カロリーやナトリウムも減少する代わりに、上の表のようなビタミン(特にビタミンKに注目)を豊富に含むことになります。
納豆が含む栄養素を基に筋トレに良い理由を考える
納豆に含まれる栄養素を一覧として見てきたわけですが、ここで、なぜ納豆が筋トレの食材として優れているのかの主な3つの理由を、その栄養素を基にして見ていきましょう。
(※実際には下に紹介する3つ以外にも、細かいものを合わせればさらに数多くの理由があります)
豊富なタンパク質
これはおそらく多くの人が既に理解している点かと思われますが、納豆が筋トレの食品として奨められる主な理由が、そこに含まれるタンパク質量の多さ。
納豆は上でも確認出来る通り、100gの中におよそ16.5gものタンパク質が含まれます。
さらに、納豆のタンパク質は植物性のタンパク質にも関わらず、完全タンパク質(全ての必須アミノ酸を十分に含むタンパク質)に分類されるため、筋肉を作る上では他の植物性タンパク質と比較して圧倒的に利用価値が高い。
筋肉を成長させるためには、タンパク質が最も重要な栄養素であるため、このように、納豆に多く含まれる良質なタンパク質によって、納豆は優れた筋トレ用食品として考えれるのです。
カリウムとカルシウムが筋収縮を促す
また、納豆が筋トレにとって優良な食品である理由として、含まれるカリウムとカルシウムの存在を挙げることも出来たり。
このカリウムとカルシウムの両ミネラルは、筋肉を成長させるというよりは、筋トレのトレーニングの中でとても重要になってくる栄養素。というのも、カリウムとカルシウムは、神経に働きかけて筋肉の収縮を促していくことになるから。
つまり、この二つの栄養素が十分に体内にある状態でトレーニングをすれば、筋肉の収縮が力強く行われるようになり、筋力を最大限に発揮していけるようになるってこと。
その結果、より重い負荷を利用したトレーニングが可能になり、その後の筋肉の合成を促す刺激を大きくでき、間接的にでも筋肉の成長にプラスに作用してくることになります。
納豆には、この二つの栄養素が多く含まれるため、トレーニング中のパフォーマンスを上げるためにも効果の高い食品であると言えるかと思います。
亜鉛でテストステロン分泌アップ!
さらに、納豆に含まれる亜鉛には、テストステロンを分泌を高めるといった作用がある。
テストステロンは、筋肉の成長を促すホルモンの一つであり、このテストステロンの分泌をどれだけ増やせたかが、同じトレーニングであってもその後の筋肉の成長の差につながってきます。
特に、激しくトレーニングを行う場合などは、多量の汗をかくと同時に、体内の亜鉛も少なくなってしまう傾向にあるため、ハードな筋トレをして筋肉を増やしたいと考えている人ほど、事前に亜鉛をしっかりと摂取しておきたいところ。
その亜鉛を摂取するための食品としても、納豆は優れているため、ここでも納豆は筋トレにとって優れた食品であると言えることになるのです。
健康全般で見る納豆のメリットとは?
筋トレにとって、なぜ納豆摂取が良いのかを確認してきましたが、筋トレの先にある「健康全般」という視点に立った場合、納豆はさらに優れたメリットを持っていたりします。
その、納豆が持つ健康全般に与えるメリットを、次に確認していきましょう。
豊富なビタミンK(特にK2)が持つ優れた健康効果
納豆が体に良いと言われる主な理由の一つが、豊富なビタミンK。天然に存在するビタミンKは2種類あり、一般的にビタミンK1とビタミンK2と呼ばれています。
まず、ビタミンK1は、植物性食品に含まれ、特に緑黄色野菜が優れた供給源となる。それに対してビタミンK2は、動物の腸内にいる細菌などによって作られるため、自然食品から摂取する場合は、主に肉などの動物性食品を食べていくことになります。
しかし、細菌である納豆菌は、動物の腸内細菌と同じように、ビタミンK2を合成する作用があるため、植物性の食品としては稀なビタミンK2の供給源となる(特にベジタリアンの人にとっては嬉しい点)。
そして、このビタミンK2には、
- 動脈硬化予防
- 心臓病予防
- 骨粗鬆症予防
といった効果があるといった報告がされています。
このように、納豆はビタミンK2という栄養素を含むことにより、現代人が抱える様々な病気のリスクを減らす効果を持っている可能性があるのです。
ナットウキナーゼも大活躍
さらに、心臓病や動脈硬化の予防と言った点に関して言えば、納豆のネバネバに含まれるナットウキナーゼという酵素も活躍することに。ナットウキナーゼは、納豆菌が作り出す酵素であり、納豆でのみ確認することが出来る酵素。
そして、ナットウキナーゼには、血管内に詰まってしまう血栓を溶かし、
- 心筋梗塞
- 脳梗塞
- 生活習慣病
といった、血管の健康が悪化してしまうことで引き起こされる症状を、予防していく効果があるとされています。
発酵食品だからこその納豆のメリット
さらに納豆は、その「発酵」というプロセスを経たことによって生まれたビタミンKやナットウキナーゼ以外にも、もう一つ大きなメリットを持っています。
そのメリットとは、発酵することにより、大豆のタンパク質が「より消化吸収されやすい」状態になっているってこと。
実際、大豆タンパク質の消化吸収率は、納豆の場合91%にもなるとされ(参照:glico)、発酵前の大豆を含めた一般的な植物性タンパク質の吸収効率が、70%に達するか達しないかといった点を考えると、その吸収効率の高さが分かります。
このことは、胃腸の消化不良に苦しむ人や、効率的にタンパク質を摂取していきたい人にとっては、とても嬉しい話だと思います。
プロバイオティクス(腸内環境を整える細菌)の働き
そして、納豆の健康に貢献するもう一つの鍵は、納豆に含まれる豊富な細菌の働き。
納豆菌が大豆に付着すると発酵が促され、納豆に変化するわけですが、この細菌の働きとして、ビタミンKやナットウキナーゼを生成するといったこと以外にも、健康な腸内細菌のバランスを維持するといった働きもある。
腸内フローラのバランスが崩れると、腸内に溜まったタンパク質などを腐敗させて、人体にとって有害な物質を多量に作り出してしまうことになりますが、納豆を食べて納豆菌を摂取することで腸内フローラのバランスを改善出来れば、有害物質が多量に作り出されてしまうのを抑えられると言える。
そのため、納豆を食べることは、健康な腸内の環境を作って、体内の環境を健康に保つためにも効果があると言えるのです。
筋トレに納豆は当たり前!筋肉のタンパク質源だけじゃない健康全般に優れた効果も探る!のまとめ
筋トレにとって良いとされる納豆について、その優れた効果を筋トレと健康全般という軸で見てきました。
納豆は筋肉を作るためのタンパク源としてはもちろん、他にも様々な効果があります。
筋トレのためにも、健康維持のためにも、上手に利用していくと良さそうです!