筋トレの分割法(スプリットトレーニング)を筋トレのメニューへ取り入れていきましょう。効果も高くおすすめです。具体例などもあるので参考になるはずです。
筋トレにはその効果を高めていくために様々な効果や方法がありますが、その中でも筋トレの分割法という方法を知っていますか?簡単に言ってしまえば、その名前の通り体の部位を分割して筋トレメニューを組んでいくもの。
筋トレの経験が長くなってきて、より大きく筋肉を成長させたいと思うと、この分割法をどこかのタイミングで取り入れたくなるかと思います。
今回は、そんな筋トレにおいて覚えておきたい分割法(スプリットトレーニング)について、組み方やトレーニングメニュー、そしてポイントなどを見ていこうと思います。
目次
筋トレの分割法(スプリットトレーニング)とは?
筋トレの分割法(スプリットトレーニング)とは、体を部位別に分割したり、力の出し方によって分割したりして、1日を決まった筋肉群を鍛える筋トレに集中して割り当て、トレーニングしていく方法です。
例えば、体の部位を軸に分割を考える場合は、
月曜日:「大胸筋と肩」
水曜日:「背筋」
金曜日:「下半身」
と言った具合に分割をしてみたり、力の出し方を軸に分けるのであれば、
月曜日:引く力(背筋と上腕二頭筋)
木曜日:押す力(胸・肩・上腕三頭筋)
土曜日:脚
といった感じで分けていきます。
こうすることで、1日の中で特定の部位や力の出し方を集中して鍛えることが出来、筋肉にかかる負荷を高めていくことが出来るようになるのです。
自分の弱点を克服するために行ってみたり、より強い刺激を筋肉に与え、筋肉を成長させるために有効であったりします。
筋トレの分割法(スプリットトレーニング)の具体例
筋トレの分割法(スプリットトレーニング)の具体例として、5つのパターンを紹介していきます。
他にも組み方は無数にありますが、一つの参考例として確認してみると良いと思います。
特に筋トレ初心者の人は、これから紹介する全身トレーニングから初めて行くと良いでしょう。ある程度の経験がある人は、自分のニーズに合った筋トレに取り組んでいくと良いかと思います。
それでは早速確認してみましょう。
筋トレの分割法①:全身トレーニング
全身のトレーニングは、その名の通り、特に体の部位を分割することなく、1回の筋トレで全身の主要な筋肉群をトレーニングしていくメニューなため、厳密には分割法には含まれないかと思いますが、筋トレ初心者の人にとっては特におすすめな方法です。
この場合、全身をくまなくトレーニングするため、各筋肉群を鍛える筋トレ種目は、通常であれば一種目、多くても二種目ぐらいに抑えて、2~3セットずつ繰り返していくといった形で行います。
こうすることで、1日の限られた時間の中で、体全体の筋肉を刺激させていくことが可能になり、また、1週間に複数回の全身トレーニングを行うことが出来るようになるのです。
特に初心者の場合、いきなり一つの部位だけに集中した筋トレを行うと、酷い筋肉痛になってしまい、その後一週間痛みが続いて、トレーニングに支障が出てしまうといったことも考えられます。
全身のトレーニングで覚えておきたいこと
- 筋トレ初心者には特におすすめ
- 各部位に対して基本は1筋トレ種目を2~3セット行って全身を鍛える
- 週に2~3回全身のトレーニングを行うのが理想
- 筋トレの間隔は最低でも48時間開けて行う
- 初心者の場合、あくまでも筋繊維を活性化させ、体を慣らしていくというのが主な目的
筋トレの分割法②:上半身と下半身を分割(2分割)
体を上半身と下半身に2分割した方法も、一般的に広く取り入れられている分割法。
体を上半身(胸・背中・肩・腕)と下半身(大腿四頭筋・臀部・ハムストリング・ふくらはぎ)の2つに分割(腹筋はどちらに追加しても良い)し、「上半身トレーニングの日」と「下半身トレーニングの日」の2日に分けて、筋トレを行っていきます。
部位ごとの筋トレ量が増えるため、全身トレーニングよりトレーニング強度を高めることができ、一つの筋肉を、より複数の刺激を使って鍛えていくことが可能になります。
1週間の分割法メニュー例
月曜日:上半身
火曜日:休み
水曜日:下半身
木曜日:休み
金曜日:上半身
土曜日:休み
日曜日:下半身
※このようなスケジュールの取り方をすることで、上半身と下半身をそれぞれ次の筋トレまでに最低48時間開けておくことが可能になります。
また、各筋トレの回数(レップ数)は、筋力アップなのか筋肥大なのかによって、設定してみるようにしましょう。
- 筋力アップ目的
- 1~6レップ
- 筋肥大目的
- 8~12レップ
筋トレの分割法③:力の出し方による3分割
筋トレの分割法の中でも、体の部位ごとに分けるのではなく、力の出し方を軸に3日間に分割していく方法もあります。
具体的には、
- 押す力の筋肉群
- 胸・肩・上腕三頭筋
- 引く力の筋肉群
- 背筋・上腕二頭筋
- 下半身
の3つに分け、腹筋を好きなところへ加え、3日間に渡って全体を鍛えていくことになります。
力の出し方で分ける理由
分割法では、体の部位ごとに分けていくのが一般的ですが、力の出し方で分割していくのにもそれなりの理由があります。
例えば、ベンチプレス(押す力)を行う場合は、大胸筋・三角筋・上腕三頭筋といった筋肉が同時に使われていくことになります。つまり、自然な力の出し方という点から見て理にかなっていることになります。
疲労という視点からみても、月曜に大胸筋、火曜に三角筋、水曜に上腕三頭筋と、トレーニングしてしまうと、それぞれが毎日少なからず関与しているので、筋肉が十分な休養を取ることができなくなってしまうのです。
1週間の分割法メニュー例
月曜日:押す力の筋肉群
火曜日:引く力の筋肉群
水曜日:脚+腹筋
木曜日:押す力の筋肉群
金曜日:引く力の筋肉群
土曜日:脚+腹筋
日曜日:休み
筋トレの分割法④:4分割法(4日間に分割する)
ある程度筋トレの上級者になってくると、筋肉の成長の伸び悩みを実感してくることもあるかと思います。
そんな時に、それ以上に筋肉を継続的に成長させるためにも取り組みたいのが、4分割法を用いた分割法。1日あたりに鍛える筋肉群の数は減らし、筋トレの量と強度を増やしていきます。
4分割法は、1週間のうち4日間をトレーニングの日として充て、3日間を休みにあてます。
- 1週間のうち4日間はトレーニングの日
- 1日あたりに筋トレする筋肉群の数は減らす
- その分筋トレの密度や強度を増やす
- 1週間のうち3日間は休み
※4日間連続で筋トレして1~2日休むといったサイクルでもOK
4分割法を組む際のポイント
4分割法を行う時におすすめな分割の仕方として、「同じ力の出し方をする大筋群と小筋群のペアを作る」というのと「逆の力の出し方をする大筋群と小筋群のペアを作る」というのがおすすめです。
同じ力の出し方をする大筋群と小筋群のペア
この場合、例として、胸筋と上腕三頭筋(共に押す力の筋肉)を組み合わせます。
複数の筋肉が関与するコンパウンド種目で筋トレし、胸筋を中心に上腕三頭筋も鍛えていくことになります。また、胸筋を中心に鍛えるトレーニングが終わったら、上腕三頭筋の筋トレに移り、トレーニングを仕上げます。
1週間の分割法メニュー例
月曜日:胸と上腕三頭筋
火曜日:脚+腹筋
水曜日:休み
木曜日:背中と上腕二頭筋
金曜日:休み
土曜日:肩
日曜日:休み
逆の力の出し方をする大筋群と小筋群のペア
また、逆の動きをする筋肉群をペアにするという方法もあります。その場合の例として次のようなものがあります。
胸筋(押す力の大きな筋肉)と上腕二頭筋(引く力の小さな筋肉)や、背筋(引く力の大きな筋肉)と上腕三頭筋(押す力の小さな筋肉)といった組み合わせです。
ただし、月曜に「背筋と上腕三頭筋」をトレーニングして、火曜日に「胸筋と上腕二頭筋」をトレーニングするというのは避けましょう。
火曜日は筋トレを休むか、完全に関係のない脚のトレーニング日にするのが理想です。連続でやってしまうと、同じ力を出す大筋群と小筋群が連日使われてしまいます。
1週間の分割法メニュー例
月曜日:胸と上腕二頭筋
火曜日:休み
水曜日:背中と上腕三頭筋
木曜日:脚+腹筋
金曜日:休み
土曜日:肩
日曜日:休み
上に紹介した4分割の分割法では、大筋群と小筋群がペアとなっていますが、小筋群は体積が小さく、筋肉も疲労しやすいため、小筋群を先に鍛えてしまうと、大筋群のトレーニングに影響が出てしまうこともあります。
そのため、必ず、大筋群→小筋群の順番でトレーニングを行っていくようにします。
筋トレの分割法⑤:5分割法(5日間に分割する)
筋トレのレベルがさらに上がってきたら、1日に1つの部位だけをトレーニングして、1週間に5日間のトレーニング日を設定する、5分割法に挑戦してみます。
この方法は、世界のトップボディビルダーなども採用しており、1つの部位に対してのトレーニング量や強度を最大まで引き上げていくことが可能になります。
また、超高強度で行った後に、筋肉へ十分な休養を与えることが出来るため、筋肉の回復と成長に関してもとても有効なトレーニング方法になります。
1週間の分割法メニュー例
月曜日:胸
火曜日:背中
水曜日:肩(三角筋&僧帽筋上部)
木曜日:脚+腹筋
金曜日:上腕(二頭筋&三頭筋)
土曜日:休み
日曜日:休み
5分割法で覚えておきたいポイント
この5分割した方法では次のポイントを押さえて行っていきましょう。
- トレーニングに使う時間は1時間程度に抑える
- 一つの筋肉に対してよりハードに鍛えぬくためそれ以上はオーバーワークになってしまうこともあるので注意
- トレーニングする部位の順番には注意
胸、肩、上腕三頭筋と連続した日で行うと、押す動作に関与する筋肉を連続して鍛えてしまうことになり、筋肉が疲労から回復する時間を確保出来ません。
同じ力の出し方に関与する筋肉のトレーニングには48時間以上間隔を開けるようにします。休養は連続で取っても、一日ずつとっても構いません
分割法を行う上での注意点
最後にスプリットトレーニングを行う上でのガイドラインをまとめておくので、確認していきましょう。
必ず休養はたっぷりと取る
スプリットトレーニングにおいて、休むということはトレーニングにも増して大切なこと。そして、休養が十分かどうかはその人の生活スタイルなどにも影響されてきます。
基礎的なこととして、必ず一つの部位を鍛えたら、同じ部位は48時間以上開けて鍛えるようにすることを忘れないようにしましょう。
また、十分な睡眠も取るようにしてください。普段は6時間睡眠でも大丈夫という人であっても、激しく筋トレを行った後にはプラス1.5時間を加えた、7.5時間ぐらいを目安に取ると良いでしょう。
弱い部位を確認して先に済ませる
スプリットトレーニングでは、自分の体の部位のうち、弱い部分をしっかりと認識し、一週間のメニューの中でも最も最初に行ってしまう方が得策です。
弱い部位を先に持ってくることで、まだやる気があり、エネルギーが充満しているうちに集中して終わらせてしまうことが出来ます。逆に、体の中でも最も強いと思われる部位は、最後の方で行っていきましょう。
強度は出来る限り強くして行う
分割法は、紹介した全身トレーニングを除いて、その目的は筋肉により多くの刺激と、大きな負荷を加えていくことにあります。
そのためどのようなメニューであれ、しっかりと強度は高く保ちながら、筋肉がオールアウト出来るようにトレーニングしていくことが大切になってきます。
自分のスケジュールを把握しておく
スプリットトレーニングを行っていく場合、その分割次第では一週間に何日もトレーニングをしていく必要が出てくるため、スケジュールを事前に確認しておく必要があります。
もしも、仕事などでそこまで日数が取れない場合などは、全身のトレーニングを週に2回行ったり、3分割にして、それぞれの部位に週に1日だけ集中して強度を高めていくといった形で調整していきます。
【筋トレを分割したスプリットトレーニング】分割法のメニューや組み方とは?のまとめ
いかがでしたか?
筋トレの分割法(スプリットトレーニング)について、その組み方や具体的なメニュー例、そしてポイントなどを紹介してみました。
今まで特に難しいことは考えずに筋トレを行って効果が出ていたのに、最近は筋肉の成長が鈍ってきたと感じる人は、是非、この分割法を取り入れて筋トレを進めてみてください。