筋トレ初心者が覚えておきたい知識や心得を押さえて、初心者用の筋トレメニューを開始していきましょう。初心者は筋トレの知識も浅く、筋トレするのに当たって何が大切か迷うことが多いかもしれませんが、基本的な知識や心得を押さえておくだけで、筋トレの成果を出していくことができます。
今現在ボディビルダーとして活躍する人だって、ジムでとても大きな体で重たいウェイトを上げている人だって、最初は全員初心者の状態から筋トレを始めて、徐々にその域まで達しているんです。
もちろん人によって効果の出方に違いがあるとはいえ、ちゃんとした知識を元に筋トレを継続していけば、大抵の目標には達成できるはずです。
今回は筋トレ初心者の人が確認しておきたい知識と心得、さらにビギナー向けの筋トレメニューの具体例までを紹介していきます。
目次
筋トレ初心者が覚えておくべき筋肉を作るための9の知識
筋トレを始めたばかりの初心者の多くの人は、筋トレに関して詳しい知識を持っておらず、とりあえずダンベルやバーベルを使って毎日筋トレしていけば筋肉がつくと思ってしまっているかもしれませんが、そんなことはありません。
これから筋トレを始めようと思うなら、しっかりとビギナー用の基礎知識をまずは確認しておきましょう。
知識①:フォームの練習は筋トレ初心者が最も重視すべきこと
筋トレの初心者はすぐに重たいウェイトに挑戦するのではなく、まずは基本的な体の動かし方(フォーム)を理解して練習するようにすることが1番大切です。正しいフォームは筋肉の成長率をアップし、怪我の防止にもつながります。
同じ動きを繰り返し練習することで、ある筋トレ種目の動きを無意識に、そして簡単に行っていくことができるようになります。そうなって初めて筋肉も十分に大きくなり始め、筋力もつきます。
それまでは無理して重い重量を利用するのではなく、自分にとっては軽いと感じる程度の重さを利用してフォームを集中して覚えるようにしましょう。身近に筋トレ経験者がいる場合には、お願いしてフォームを見てもらいましょう。自分では気づかないことにも気づいてくれるでしょう。
知識②:コンパウンド種目とアイソレーション種目の違い
初心者の人に覚えてもらいたい知識のひとつとして、コンパウンド種目(多関節種目)とアイソレーション種目(単関節種目)という二つの筋トレの分類があります。
コンパウンド種目
動作の中で2つ以上の関節を動かす
例…ベンチプレス、スクワット、デッドリフトなど
アイソレーション種目
ひとつの関節だけを動かす
例…ダンベルカール、サイドレイズ、レッグプレスなど
例えばベンチプレスでは肩と肘の2点が働くのに対して、ダンベルカールでは肘関節だけが働く。
ここで覚えて欲しいのが、関与する関節の数が多ければ多いほど関与する筋肉の数も多くなるという点であり、その分重い重量を扱うことができます。
筋肉を大きくしたり筋力を強化したいなら「コンパウンド種目>アイソレーション種目」という図式は、必要不可欠な知識になります。
知識③:筋トレ初心者こそ大きい筋肉を中心に鍛えていく
さまざまな目的を持って筋トレを始める人も多いかと思いますが、初心者には大きい筋肉を最初に鍛えることが大切になります。
理由としては第一に大きな筋肉を鍛えておくことで、全体的にバランスがよく、左右差のない体を作ることができます。
部位ごとに偏って筋トレをすることで生じる筋肉の左右差を防ぎ、それによって引き起こされる怪我を防止し、全体の筋肉を使ってより大きな力を生み出せるようになっていきます。
第二に大きな筋肉を鍛える時は、同時に小さな筋肉も一緒に使うことがほとんどです。
逆に小さい筋肉を先に筋トレすると、その筋肉が先に疲れてしまって、大きな筋肉を使う筋トレに全力で取り組めなくなってしまいます。
知識④:筋トレと筋トレの間は48時間の休息を取る
筋トレ後には、筋トレ中にかけた大きな負荷に対応するために筋肉が様々な化学反応が起こします。そして化学反応の後、筋肉が強い状態になるには、時間と栄養、休息が必要なのです。
つまり、高頻度で筋トレをするべきではなく、十分な栄養と休息を摂らないと筋肉は成長してくれません。
筋トレの頻度として、同じ筋肉群をターゲットとして鍛えていく場合は、最低でも48時間は間隔をあけていくようにしましょう。厳密にいうと部位ごとによって変わりますが、初心者は48時間と覚えていいでしょう。
また、将来的に上級者になって筋肉量が増えた場合などは、さらにその休養の期間を増やしていくのも考えてみてください。その頃には、初心者レベルでは考えられないほどの負荷をかけていくため、より長い回復が必要になることもあります。
知識⑤:筋トレごとに重量、回数を少しずつ伸ばしていく
筋トレには「過負荷・漸進性の原理」というものがあります。初心者はその言葉自体を覚える必要はありませんが、その意味は覚えておきたいところです。
過負荷
筋肉が受ける最大の刺激、筋肉がその動作を繰り返せる限界の負荷を利用していくこと
漸進性
少しずつ進歩していくこと
つまり、過負荷・漸進性の原理が意味することは、「毎回の筋トレの度に少しずつでも扱う負荷を増やしていって、筋肉がより大きな負荷にも耐えられるようにしていくことが大切」というもの。
重量が毎回同じだと体が慣れてしまい、簡単にその重量を挙上できるようになってしまうと、筋肉の慣れが引き起こり、それ以上の成長が見込めなくなってしまいます。
毎回のトレーニングで少しでも重く、少しでも多くできるように意識してみてください。
知識⑥:各筋トレごとに複数のセットをこなす
過去何十年にも渡る筋トレに関する科学的な研究の結果が示していることとして、筋トレ種目で最大の効果を得るためには、3~5セット行うのが必要だというものがあります。
一般的なおすすめ筋トレメニューなどを見ると、1つの筋トレ種目に対して3セットで組まれていることが多いです。
あれは、そういった研究や経験によって培われてきた結果として、最も筋トレの効果を最大限引き出せられると考えられているから。上級者になれば意図的にセット数を増減させていますが、初心者はまず3セットから始めましょう。
1セットだけやっても、筋肉への刺激は少なかったり、筋繊維が全て働かずに終わってしまいます。複数セットを行うことで、しっかりと筋肉を刺激し、筋繊維まで効果的に働かせることができます。
基本的には3セットで各筋トレ種目をこなしていくと効果的に筋肉が成長していきます。
知識⑦:重すぎも軽すぎもよくない
筋トレ初心者が疑問に思うことのひとつが、「どのぐらいの重さのウェイトを利用すればいいんだろう?」ということがあると思います。
筋トレの経験が全くない完全な初心者の人は、動作を10回繰り返せる程度の重さを基本として扱っていきましょう。
同じ筋トレ初心者だとしても、体重や運動能力なども全員異なるため適正重量は人それぞれです。自分に合う重量を早く見つけることが大切になります。
知識⑧:セットとセットの間は短い休憩を取る
当たり前ですが、筋トレを行うと筋肉は疲労します。でも筋トレ初心者の人に限って、この当たり前のことを無視し、筋トレのセット間の休みを取らずにとにかく猛烈に連続して筋トレを繰り返していこうとします。
セット間にはしっかりと休憩を取って、筋肉に溜まってしまった乳酸などの代謝物を取り除き、筋肉に不純物がある状態から元に戻す時間が必要。
そのためにも同じ筋肉を鍛える場合、通常は90~120秒程度のインターバルを取っていくようにしましょう(※目的によってもその長さは違うので「基本的には」ということで覚えておきましょう。また大きな筋肉ほどインターバルに要する時間は必要です)。
基本的には息が整って心の準備ができたぐらいがちょうど1~2分だと思うので、それを目安にしてもいいです。ストップウォッチなどがあれば、使って時間を測るようにしましょう。
筋トレ初心者が筋トレメニューを行う際に意識しておきたい3つの心得
さて、筋トレ初心者にとって大切な9つの知識を見てきましたが、これから筋トレを開始していこうと考えている初心者にとって意識しておいて欲しい3つのポイントについても簡単に触れておきます。
筋トレを習慣にする
筋トレを始めたばかりの初心者にとっては、まだまだ難しいことかもしれませんが、筋トレで成果を出していくためには、筋トレ自体を習慣化することが最も効果的。
簡単に言っていますが、実際これが筋トレの効果を出すのにあたってダントツで1番難しいです。
初期の頃には筋トレを行う曜日を決めて、その自分に対しての約束は破ることなく繰り返していったり、他にもジムへ入会して筋トレしやすい環境を作ったりして、とにかく筋トレを意識的に継続しましょう。
そうすることで、徐々にそのルーティーンが当たり前になってきて、筋トレが習慣化され始めます。後は自然と続けられるようになり、筋トレの成果も出てくるようになります。
ちなみに、筋トレを1年以上継続している人の割合は4%未満と言われています。
トレーニングの一貫性を保つ
筋トレを行う目的は人それぞれですね。
例えば「綺麗に痩せる体を作りたい」、純粋に筋肉を大きくしたい」など他にも多くの目的がありますが、目的によって筋トレの内容や方向性というものは全く違ってくることになります。
筋トレの初心者の起こしがちなミスとして、目的を明確にしていないために、とりあえずなんでも試してみるということがあります。そうするとトレーニング内容の方向性も定まらなくなり、効果も出ることがなく自分には効果が出なかったと筋トレを諦めてしまいます。
そうならないためにも、まずは筋トレの目的を一度しっかりと明確にしておき、その目的に合ったトレーニングを一貫して行っていくようにしましょう。
まずは体の基盤作りから
筋トレ初心者の人や筋トレが未経験者の人は、まだまだ体全体の筋肉が十分に強くなっていない状態。
そういう人は、次の6つのカテゴリに含まれる筋トレを行っていくことで、体全体の筋肉をバランスよく鍛えることができ、よりレベルの高いトレーニングを行なっていく上での基盤作りが可能になります。
各カテゴリーの筋トレ種目を最低でもひとつずつ行い、体作りをしていきましょう。
筋トレカテゴリー | 筋トレ種目 |
スクワット系 | 自重スクワット |
バーバルスクワット | |
フロントスクワット | |
デッドリフト系 | デッドリフト |
スモウデッドリフト | |
ルーマニアンデッドリフト | |
プレス(押す系) | ベンチプレス |
ショルダープレス | |
腕立て伏せ | |
プル(引く)系 | 懸垂 |
バーベルロー | |
シーテッドロー | |
体幹系 | プランク |
ヒップリフト |
これらの各カテゴリーの筋トレ種目を行なって体づくりをしておけば、体の反応もよくなり全体的な筋肉量アップはもちろん、ダイエット目的の人にとっても全体的な代謝アップを実現できます。
また、今後筋トレの目的が変わったとしても、基盤を作っておくことで結果を出しやすくなります。
筋トレ初心者が試したい初心者用筋トレメニュー
今まで筋トレの初心者が覚えておきたい知識や意識しておきたいことなどを話してきましたが、最後に具体的な初心者の筋トレメニューを紹介しておきます。
次のポイントを意識しながら行っていきましょう。
- 8週間続けていく
- 最初の2週間は軽めのウェイトでフォームの練習を徹底する
- 筋トレメニューをとおして筋力が付いてくるに従って、徐々に重いウェイトを利用していく
- 指定するレップ数とセット数を繰り返していく
- 一週間に2日繰り返す
- 筋トレ後には必ず48時間以上の休みを取る
筋トレ初心者用メニュー(具体例)
筋トレメニュー | 回数 | セット数 |
スクワット | 10 | 3 |
ベンチプレス | 10 | 3 |
デッドリフト | 10 | 3 |
ショルダープレスorサイドレイズ | 10 | 3 |
懸垂 | 8 | 3 |
アームカール | 10 | 3 |
こちらのメニューは先述した体の基盤作り+全身を鍛えるの2つの観点からおすすめのメニューを選びました。ショルダープレスorサイドレイズに関しては自分が好きな方を行いましょう。それぞれの特徴としては以下のとおりです。
- ショルダープレス・・・三角筋前部をメインに鍛える。横から見た時の肩の厚みが増す。
- サイドレイズ・・・三角筋中部をメインに鍛える。肩幅が広くなる。
筋トレ初心者9の知識と3つの心得&初心者用筋トレメニュー例のまとめ
筋トレ初心者が知っておきたい9の知識と3つの心得、さらにビギナー用の筋トレメニューの具体例を紹介してきました。
筋トレを始めたばかりの初心者はわからないことがたくさんあると思いますが、今回紹介したことを覚えておけば大丈夫です!
あとは身につけた知識や心得で筋トレに取り組んでいくだけですので頑張ってください!