筋トレに朝食が効果的で大切な理由と朝食をとる際のポイント(目的別)

筋トレに朝食が効果的で大切な理由をみていきます。また、朝食をとる際のポイントも目的別で紹介していくので、筋トレの効果を引き出すためにも確認してみましょう。

栄養豊富で十分な量がある朝食は、筋トレはもちろんのこと、健康全般を考えるうえでは、夕食よりはるかに大切です。

一方で、「時間がない」、「朝はお腹がすいていない」といった言い訳をつくり、朝食を食べない人も世の中にはたくさんいます。

しかし朝食を食べないというのは、1日の活動を不活発にしてしまったり、健康的な肉体改造の妨げになってしまっていたり、筋トレ中に発揮できるパフォーマンスの最大化を、阻害してしまうことにつながってしまうかもしれません。

そこで朝食からもたらされる恩恵を、筋トレを軸にみていきます。後半では、3つの目的別に分けて朝食をとる際に抑えておきたいポイントも紹介しておくので、合わせて確認してみましょう!

筋トレに対して朝食がもつ効果と大切な理由を探る!

筋トレに朝食が効果的で大切な理由①:1日の活力をつける

筋トレに朝食が大切な理由が「1日の活力の基盤を作る」というもの。

朝食を食べる前の体というのは、睡眠による長時間の絶食により、十分なエネルギーがなくなってしまっている状態です。

つまり朝食を摂取するということは、エネルギーが枯渇してしまっている体内にすばやく必要なエネルギーを補給するためにも大切であり、結果として、

  • カタボリック(エネルギーが足りなくなることで筋肉を分解して必要なエネルギーを取り出そうとする反応)を抑制する
  • 体温を上げることで活力を高める
  • 体が効率よく機能するように調整する

といった効果が期待できます。

そしてもちろん、朝食後に筋トレに取り組むのであれば、トレーニングの中で十分な力を出して最高のパフォーマンスを発揮するためのエネルギーを確保し、筋トレの効果を最大化していくためにも大切。

逆に朝食を食べないでいると、活力が満ちた状態で1日を過ごすのが難しくなってしまったり、激しいトレーニングにおいて疲れやすくなってしまうといったことが起こってしまいます。

筋トレに朝食が効果的で大切な理由②:新陳代謝を促す

筋トレに朝食が効果的で大切な理由を考えるうえで抑えておきたいことのひとつが、朝食を摂取すると「新陳代謝が促される」というもの。

これは筋トレをおこなううえで、無駄な体脂肪をつけたくない人やそもそもの筋トレの目的が健康的に痩せたいという人にとっては特に、朝食を食べることで期待できる見逃せない効果になるかと思います。

この朝食を食べると新陳代謝が促される原因は、食事誘発性熱生産(Diet Induced Thermogenesis/DIT)というもの。

このDITは、体内に摂取した食物を消化・吸収して分解するためにもエネルギーが必要になりますが、食事をとった後に、食べた栄養素の一部が体熱となって消費されることで発生したものをいいます。

つまり食事をした後には安静にしていてもDITの状態になっているので、代謝量が増えた状態が一定の時間続くことになり、朝食を摂取することはDITを引き起こし、基礎代謝を高める効果があると考えられるのです。

筋トレに朝食が効果的で大切な理由③:日中の空腹感が減る

健康的に体を引き締めるために筋トレを頑張るといっても、小腹がすいて間食をつまんでばかりいて、摂取カロリーが消費カロリーを大幅に超えるようなことがあっては意味がありません。

結局、無駄な体脂肪をつけないように健康的な肉体改造を実現するためにも大切で、根幹となるのが「カロリー収支」。

摂取カロリーが消費カロリーを上回れば、余分なカロリーが体脂肪となって体に残り、逆に摂取カロリーが消費カロリーを下回れば、その分体脂肪が燃焼されやすくなるということです。

そして、摂取カロリーが消費カロリーを大幅に越えないように管理するためにも大切なのが、「空腹感のコントロール」であり、そのためにも朝食時に腹持ちする食事をとることはとても効果的。

朝食時に、

  • 低GI値(注1)の炭水化物
    • 全粒粉パン
    • 玄米 など
  • 低脂質の高タンパク質食材
    • カッテージチーズ
    • 目玉焼き など

といった食材を中心に朝食をとっていくことは、1日のエネルギーの源をしっかりと確保しながらも、消化がゆっくりとおこなわれることになるため、昼食時まで空腹を感じることがほぼなくなり、間食の食べ過ぎを防ぐことにもつながってきます。

また、高タンパク質の食材は、DIT(食事誘発性熱生産)が大きいため、同じカロリーを摂取したとしても燃焼されるエネルギーが高く、健康的な肉体改造を目指すうえでは有効活用していくべきものになります。

注1:GI値とはグリセミック・インデックスの略で、この数値が高いほど糖質の吸収速度が早いとされる一方、低GI値の炭水化物はゆっくりと時間をかけて吸収されていく

筋トレに朝食が効果的で大切な理由④:気分が高まる

起床後のエネルギーが足りなくなった状態の体へ、朝食でエネルギーを補給してあげることは、気分を高めて1日のやる気を出すためにも効果的。

エネルギー不足による疲労感を抑えて、身体的に活力に満ちた状態を作ることで、気分も高揚させていくことになります。

そして朝食をとるときには、急いで流し込むように朝食を食べるのではなく、十分な時間を確保して、ゆっくりと朝食を食べていくようにするのも、気分よく1日をスタートするためには必要です。

時間の余裕をもちながら朝食を食べて1日を始めることで、余裕を生むことになり、その後の活動を心に余裕がある状態で、モチベーションを高く維持しながら取り組んでいけるようになります。

筋トレに朝食が効果的で大切な理由⑤:筋トレの効果を最大化!

朝食を食べることは、体をエネルギーで満たしたり、気分を高揚させるためにも効果的であるというのはみてきたとおり。

そしてこのことは、筋トレの効果を最大限に引き出すためにも大切です。

というのも、

  • 体がエネルギーで満たされる
    • →体全体の機能が高まる
    • →集中力・判断力などの認知能力が高まる
  • 気分が高揚する
    • →モチベーションが高まる
    • →辛いことでも耐えられるようになる

といったように、朝食をしっかりと十分にとっておくことは、身体面からも精神面からも、ハードで大変な筋トレメニューに取り組むに当たってとても大切なことなのです。

朝食をしっかりと摂取して、エネルギーを高めて気分を高揚させ、筋トレの効果を高めていきましょう。

朝食を効果的にとっていくためのポイント(筋トレの目的別)

筋トレになぜ朝食が不可欠で大切なのかの理由をみてきましたが、ここからは筋トレのために朝食をとる際に抑えておきたいポイントについてみていこうと思います。

しかし筋トレの朝食といっても、その目的によってもポイントが変わってくるため、ここでは次の3つに分けてポイントを紹介していきます。

  • ダイエットが目的の人
  • 筋トレを午前中におこなう人
  • 筋トレを午後(昼以降)におこなう人

それでは、さっそくそれぞれにポイントについて確認していきましょう。

ダイエット目的の人が抑えておきたい朝食のポイント

もし「体脂肪を落としたい」というのが最大の目的である場合は、ダイエットを「朝食から始める」のではなく、「夕食から始める」と考えていくのがポイント。

言い方を変えれば、ダイエットと称して「朝食を少量に抑えてしまう」ことがないようにしましょう、ということです。

朝食を少なくしてしまうと、その後に激しい空腹感に襲われることで、甘い物へ手が伸びてしまう可能性が非常に高くなってしまいます。

逆にダイエットを考えるなら、朝食はもちろんのこと、昼食もしっかりと摂取して、夕食こそ軽めに摂取するように心がけるべき。つまりこれが、食事量を少なくするダイエットは「夕食から始める」というポイントの意味。

ダイエットが目的であるならば、朝食では低GI値の炭水化物と高タンパク質食材を中心に500~700kcal(※人によって変わる)摂取し、十分なエネルギーを確保するようにして、その分、夕食での摂取カロリーを減らしていくようにしましょう。

(豆知識)時間栄養学でみる避けるべき夕食の時間

ちなみに、夜遅くに食事をすると脂肪がつきやすいと耳にしたことがある人は多いかと思います。

夜遅くに夕食をとってしまうと、消化が終わりきる前に就寝してしまうため、消化できなかったものが就寝中に脂肪となって残ってしまいます。

ダイエット目的の人は、22時以降の食事、就寝2時間前の食事というのは基本的に避けるようにしておくことが大切です。

筋トレを午前中にする人が抑えておきたい朝食のポイント

筋トレを午前中におこないたいと考えている人の場合、朝食のポイントして抑えておきたいのが、「朝食の量は抑えておく」というもの。多くの人はおそらく朝食を食べてから1~2時間後にはトレーニングを開始したいと考えているかと思います。

しかし朝食を多くとってしまうと、食後1時間や2時間後であっても、お腹に膨満感が残り、「体が重い」や「動きにくい」なんていうことを感じ、筋トレ中のパフォーマンスを最大に高めていくためには、その膨満感が弊害となってしまいます。

そのため、午前中に筋トレをおこなうことを考えている場合は、次のケースに分けて適量の食事を朝食で摂取していくようにしましょう。

  • 朝食後から筋トレ開始まで3~4時間の時間がある
  • 朝食を7時にとって筋トレを11時に開始する など
    • →通常の朝食と同じでOK
  • 朝食後から筋トレ開始まで1~2時間の時間しかない
  • 朝食を8時にとって筋トレを9時または10時には開始する など
    • →通常の朝食の半分の量に抑える

このように、朝食後から筋トレまでの時間が限られている場合は、朝食で摂取する食事量を少なめに抑えていくことで、膨満感が残ってしまうのを防ぎ、トレーニングに集中しやすい体内環境を作っていきます。

ちなみに、朝食の量を抑えたことで、その後の激しいトレーニングにおけるエネルギーを十分に確保できないと感じる場合は、フルーツジュースのように、糖分が多く含まれて吸収されやすいドリンクタイプのものを筋トレ直前に摂取して、体内にエネルギーをすばやく補給しておくのがいい方法です。

筋トレを午後にする人が抑えておきたい朝食のポイント

上でもあげたように、空腹を満たすことで無駄なカロリー摂取が起こってしまうのを避けるためにはもちろん、1日の気分を高めて午後におこなうトレーニングでモチベーションを維持するためにも朝食は重要です。

しかし食事後すぐにトレーニングをおこなうといったことはないため、午前中に筋トレをおこなう場合のように、食事の摂取量制限に関しては、そこまで考える必要はありません。

全粒粉パンやライ麦パン、玄米やもち麦ご飯などのようにGI値が低い炭水化物と脂質を抑えたタンパク質食材(焼き魚・納豆・目玉焼きなど)を中心に、十分な量を摂取していくことを心がけていきましょう。

筋トレに朝食が効果的で大切な理由と朝食をとる際のポイント(目的別)のまとめ

筋トレに朝食が効果的で大切な理由と朝食をとる際のポイントを目的別でみてきました。

朝食は1日の活力を与え、その後におこなう筋トレのパフォーマンスを高めるためにも大切です。

もし朝食に時間がかけられない場合などは、食物繊維が豊富で比較的低GI値なオールブラウンに牛乳(脂肪が気になる人は低脂肪牛乳)をかけて、炭水化物とタンパク質を補給していくなんていう方法がおすすめ(※必要ならばプロテインシェイクも飲んでおく)。

とにかく朝食を抜いてしまうことがないようにして、筋トレのパフォーマンスを高めていきましょう!