手首を太くする方法は可能なのかどうか、そして具体的にはどのような筋トレやトレーニング方法であれば実現できそうかを探っていきます。
手首を太くする方法については、賛否両論があるかと思います。
手首は他の部位とは違い、筋肉を鍛えたからといって直ぐには太くならない部位であり、通常の筋トレやトレーニングを行ったからといって、上腕の力こぶのようにすぐに太くならない部位です。
そこでまず、手首を太くすることは原理は何か。そして太くするためのトレーニング方法について見ていきたいと思います。
目次
手首を太く出来る可能性はあるのか?
筋肉の太さとはほとんど関係のない手首周り
手首は筋肉を肥大させるトレーニングを行ったとしても、太くはならないとされています。
というのも、手首周りは主に腱(筋肉を骨につなげている結合組織)と骨で構成されているため、手首周りに筋肉があまりなく、筋肉を鍛えて太くしようとしてもあまり関係なく、生まれつきの要素が大きく影響する部位だから。
したがって、他の筋肉がついている部位のように、筋トレをして筋肉を太くしたからと言って、手首自体が直ぐに太くなるということはないと考えられるのです。
しかし「順応」するために腱や骨は太くなる
しかし、腱はトレーニングを行っただけでは太くならないといった意見もあるなか、一定の動作を長期に渡って継続していく場合、その動作を最適な形で支えるために、腱も順応して太さが変わっていく可能性も報告されています。つまり、腱も太くなっていく可能性があるということです。
実際、手首を捻ったり曲げたりする動作が多く含まれる、合気道を長く続けた高段者などには、手首が太くなっている人が多くいます。
一方、骨は時間が掛かるものの、筋肉の様に負荷を加えていくことで、ゆっくりとではありますが、その負荷に耐える(順応する)ために、骨密度が高まっていき、強化されていくことが確認されています。
腱や骨が「順応」して太くなるなら手首を太く出来るのでは?
腱や骨がある動作に掛かる力や負荷に順応していくことを考えた場合、骨と腱でほとんどの部位を構成された手首自体も、筋トレやその他のトレーニングを通して、太くすることが可能になってくるのではないかと考えることが出来ます。
また、手の関節を動かすエクササイズを繰り返し行っていくことは、手首を太くする方法としても効果がある可能性が高いと考えられるのです。
ただし、腱や骨が太くなるには筋肉より長い時間が掛かるとされるため、手首を太くするためには、継続してトレーニングを行っていく必要が出てくる前提で、じっくりと取り組んでいくことが必要になるかと思います。
手首を太くする筋トレやトレーニング方法とは?
手首を太くする可能性について一定の結論を出してきましたが、その考えを前提にした場合の、手首を太くするために有効だと思われる筋トレやトレーニング方法を7個紹介していきます。
手首のストレッチ
手首のストレッチは、長期に渡って手首の筋トレやトレーニングをしていく上で、怪我をしないためにも重要。
また、上で示した合気道の例を考えた場合、手首を曲げたり捻ったりするストレッチを繰り返すことが、手首の周りにある腱を太くする可能性があるとも考えられます。
- 手首を動かす長期のトレーニングで怪我を防ぐ
- 手首を曲げたり捻ったりを繰り返すと手首周りの腱が太くなるかもしれない
という2つの点を抑えるためにも、次に紹介する手首のストレッチを行っていくと良いかと思います。
手首のストレッチ方法
手首をストレッチする方法として、次の3つの形を基本として行っていきましょう。
- 片方の手首を手のひら側に曲げて、その手の甲をもう一つの手で押さえる
- 10~20秒維持してストレッチする
- 手のひらを逆に向けて、その手のひらをもう一つの手で押さえる
- 10~20秒維持してストレッチする
- 指を上に向けて、その手のひらをもう一つの手で体の方へ引っ張っていく
- 10~20秒維持してストレッチする
また、下で紹介する大東流合気柔術(合気道の源流とされる日本古武術の一つ)のストレッチにも取り組んでいくと、手首を太くするためにも効果的かもしれません。
リストカール
手関節の筋トレと言っておそらく最も代表的なものが、このリストカール。
手にダンベルやバーベルを握り、その負荷を利用して手関節の掌屈(手首を手のひら側に曲げていく動作)に関与する筋肉を刺激していき、前腕の中でも手のひら側にある複数の筋肉を太くしていきます。
前腕を太くして手首のたくましい印象が増すのはもちろん、手首の動きに関わる筋肉を強化することで、手首の動作それ自体を安定させ、そして強固にしていけます。
- 左右の手にダンベルを握ります
- グリップは手のひらが上を向くように逆手にしておきましょう
- 太ももにダンベルを持った手の前腕を乗せ、手首がはみ出るようにセットします
- 手首を手のひら側に曲げていきます
- その後、ゆっくりとダンベルを下げていき、繰り返していきます。
リストエクステンション
リストエクステンションは、別名リバースリストカールとも呼ばれる手関節の筋トレ種目。
手首を手の甲側に曲げる手関節背屈を行うことで、主働筋となる総指伸筋や、長橈側手根伸筋や短橈側手根伸筋といった、前腕の中でも手の甲側に位置する複数の筋肉を強化していくことが出来ます。
- ベンチなどに座り、片手にダンベルを順手(手の平が下)で持ちます
- 太ももにダンベルを持った手の前腕を乗せ、手首がはみ出るようにセットします
- 手首を手の甲側に曲げていきます
- その後、ゆっくりとダンベルを下げていき、繰り返していきます
- この筋トレでも、ダンベルの代わりにバーベルを利用して行うことが可能です。
ラディアルフレクション
ラディアルフレクション(レディアルフレクション)は、アルナフレクションとは逆の動き(手関節の橈屈(外転)を行っていくトレーニング方法。
長橈骨側手根伸筋や長母指外転筋などといった、前腕の親指側に位置する筋肉を、ダンベルなどの負荷で刺激していくことになります。
- ダンベルなどの端を握ります
- 腕はまっすぐに体の横に下ろしておきましょう
- 手首を親指側へ曲げていきます
- この時、手首以外は固定しておくようにします
- 出来るだけ手首を曲げたら、ゆっくりと戻していきます
リストローラー
リストローラーは、手首を鍛える道具として、昔から柔道などの練習では用いられてきた筋トレ器具。動作自体は単純だけど、実際に試すと過酷なトレーニングになります。
今までリストローラーを試したことがない人が1分も続ければ、前腕の筋肉がはち切れんばかりに熱くなってきて、筋肉を刺激するためにとても効果的なのが分かるかと思います。
また、動作の中で手首を捻る動作を繰り返すため、手首を囲う多くの腱に刺激が加わることになり、継続していくことで長期的に手首自体を太くしていく効果も高いと言えるかと思います。
- リストローラーを両手で持ちます
- 腕を体の前に伸ばしていきます
- 雑巾を絞るようなイメージでプレートを巻き上げていきます
- 巻き上げたら、逆の動きで、プレートを下げていきます
プレートピンチ
プレートピンチは高重量のプレートをつまみ続けることで、握力の中でもピンチ力を鍛える筋トレ方法。
プレートピンチには、指を曲げる指(親指を除く)の屈曲と、親指を人差し指に近づける母指(親指)の内転の動作が含まれ、それぞれの動作に関わる複数の筋肉を強化していくことになる。
また、これらピンチ力に関与する筋肉の多くは、前腕に位置しているものの、手関節をまたいで指関節まで伸びているため、長期のトレーニングで腱が太くなってくるようなことがあれば、手首の太さにも影響してくることになります。
- 平らなバーベルプレートを2枚用意して重ねます
- その2枚重ねのプレートをまとめて指で挟むようにします
- 30秒その状態を維持します
ウォール・リストプッシュ
ウォール・リストプッシュを行えば、手関節の背屈(手首を手の甲側に曲げる動作)に関わる筋肉を、特に器具を用いず自分の体重だけで強化していくことが可能。
ダンベルなどを利用したリストカールが出来ない場合に、代わりに行ってみると良さそうです。
- 壁に両手をつけて体を斜めの状態にします
- 手関節を手のひら側に曲げて、体を壁に近づけていきます
- その後、手のひらを返す力で体を壁から離していきます
拳立て伏せ
拳立て伏せは昔から、打撃系の武道においては手首を鍛えて拳を強化出来るとして、広く取り入れられているトレーニング方法。手首を太く出来るとして、多くの武道家たちが拳立て伏せに取り組んでいます。
骨に大きな負荷が加わって前腕骨が徐々に太く強化されていき、手関節を囲っている複数の腱も負荷に順応するために太くなっていくというのが、拳立て伏せが手首を太くするために効果的と言われる理由なのかも。
手首を太くしたいなら、昔から多くの武道家が取り組んでいた、この拳立て伏せにも取り組んでいくと良さそうです。
- 拳を握り、その拳を床に立てて腕立て伏せの姿勢になります
- 手首がブレないように力強く握りしめておきましょう
- 腕立て伏せと同じように体を沈めていきます
- その後、体を上げていき、繰り返していきます
手首を太くする方法として他にも覚えておきたいポイント
手首を太くするために有効だと思われる具体的な筋トレや、トレーニング方法を紹介してきましたが、最後に、手首を太くするために覚えておきたいその他のポイントを、簡単に確認しておきます。
手首を太くするためにもリストストラップに使わない
前腕部を筋トレする際、リストストラップを利用する人がいると思います。しかし、手首を太くしたいなら、リストストラップを利用したトレーニングは逆効果かもしれません。
元々手首を太くするためには時間がかかるのに、ウェイトの負荷に耐えるためにストラップに頼ってしまえば、さらに時間がかかってしまうことになるかもしれません。
手首を太くしたいと考えてトレーニングを行っている際に、リストストラップが必要だと感じた場合は、代わりにウェイトの重量を下げて、筋トレに取り組んでいくと良いかと思います。
継続することを忘れずに
前腕まで含めた全体の印象ではなく、手首自体を太くするには、とにかく手首の骨と腱を太くしていく必要があるため、とても時間がかかります。筋トレと同じようにすぐには効果が出ないことを理解しておきましょう。
そして、その長期戦で大切になってくるのがとにかく継続して行っていくということ。
手首を太くしたいなら、手首を太くする可能性のあるストレッチやトレーニングを、地味ながらも継続していくことを最重要視して行っていきましょう。
手首の強化には、他の部位の筋肉を鍛える以上に時間がかかるはずなので、とにかく我慢強くトレーニングをコツコツと継続し、じっと我慢して手首を太くしていきましょう。
手首を太くする方法と可能性|筋トレなどのトレーニングは有効なのか?のまとめ
手首を太くする方法について、その可能性を探り、効果のありそうな筋トレやトレーニング方法を具体的に紹介してきました。
手首を太くしたい人は、じっくりと長期的な効果を想定してトレーニングに励んでいくのが秘訣そうです!