バトルロープのトレーニングと効果を確認していきましょう。全身の筋トレとして、幅広い効果をもった優れたトレーニング方法のひとつです。しかも簡単に始められるので場所の確保さえできればおすすめです。
バトルロープは通常の筋トレとはちょっと違ったトレーニング。全身の筋肉を使ってトレーニングしていくことで、トレーニング自体の消費カロリーも高くダイエットにも効果的、そのうえ筋トレの効果もある万能トレーニングなんです。
日本ではそこまで盛んではないものの、海外では一般的にも広く筋トレメニューに取り入れられたりしており、実戦ですぐ使える体を作るために、アスリートや格闘家などに採用されることの多いトレーニングになります。
そのバトルロープのトレーニング方法と効果を解説していきます。やり方や効果を知って実践していきましょう。
目次
バトルロープトレーニングの概要
バトルロープのトレーニングは、ここ数年の間に海外で人気が高くなってきている全身トレーニングのひとつ。
上半身の筋肉全体への効果を中心に、体幹の強化や下半身の筋肉も刺激していくことになり、さらに有酸素性の運動もできるという、一石三鳥といえる筋トレ方法です。
基本的には専用のバトルロープ(1本の重さが10kg前後あるロープ)を用意して、中心を固定し、それぞれの端をそれぞれの手で握ります。
そして、上下に動かしていくことで生まれた反動を利用して、肩の筋肉を中心に、胸の大胸筋や前腕の筋肉、そして背中の広背筋や他の体幹の筋肉までを鍛えていくことになります。
ある程度負荷がかかり重みのあるロープと広いスペースが必要ですが、それさえあれば特にフォームやテクニックが必要な筋トレではないため、初心者からでも気軽に始められるトレーニングです。
また、このトレーニングの動作の中では、すでに触れたように、複数の筋肉が関与することになり動かす関節も多いため、バトルロープトレーニングはコンパウンド種目(多関節種目)の筋トレとして分類されることになります。
バトルロープのまとめ
運動タイプ | 筋力トレーニング |
筋トレタイプ | コンパウンド |
筋トレレベル | 初級者 |
力の出し方 | 押す力 |
必要な道具 | バトルロープ |
メインターゲット | 三角筋・僧帽筋・前腕の筋肉・その他 |
そもそもバトルロープとは?
バトルロープは綱引きに用いられるロープや高重量の物を固定しておくために使われる頑丈なロープをヒントに、トレーニング用に開発されたロープ。
通常のロープと比較して、トレーニングに利用しやすいように長さを基本的には9mに抑え、その分重量はしっかりと担保できるように設計された筋力トレーニングのためのロープです。また、握りやすいように直径もおよそ5cm程度に設定されています。
もちろん中には長さも直径も違うものがあり、必要に応じてより長いものや短いもの、より太いものや細いものを選ぶことも可能です。
バトルロープをやる場所の確保が大切
バトルロープはその長さを利用した反動を使ってトレーニングしていく筋トレ。
そのため、バトルロープトレーニングをおこなうには、その長さにたりるだけの縦に広いスペースが必要になります。
自宅の庭
もし一軒家に住んでいて庭があるのであれば、バトルロープをおこなえるかもしれません。
バトルロープは1本9m前後と長いですが、真ん中を固定して、半分に折っていくため、最低でも縦に4.5m、横に2mぐらいのスペースがあれば可能です。
自宅の庭にそれだけのスペースがあれば、気兼ねなくバトルロープのトレーニングをおこなっていけるようになりますね。
体育館
近所に誰でも使用可能な体育館などがあれば、そこでもバトルロープをおこなうことができます。
バトルロープをろくぼく(体育館によくあるはしご状の体操器具)にくくりつけて、バトルロープのトレーニングをおこなってみましょう。
ジム
まだまだ一般的とはいえませんが、バトルロープをおこなえるジムも存在します。特に大きめのジムや格闘技ジムにバトルロープが設置されていることがあります。
もしこれからジムへ入会しようと考えていて、近所にそのようなジムがあるのであれば、検討してみるのもいいですね。
公園
公園もバトルロープをおこなうには最適な場所です。
周りに人があまりいないスペースや時間帯をみつけて、鉄棒や木にバトルロープをくくりつけてトレーニングをおこなってみましょう。
十分な場所を確保できることになるかと思うので、トレーニングするには最適です。
バトルロープトレーニングのやり方
バトルロープトレーニングのやり方には、ロープを上下に振って床に打ちつけるやり方以外にも、横方向に大きく振るトレーニング方法、他にも肘を起点にぐるぐると回転させるトレーニング方法など、様々なやり方があります。
ここでは、一般的に最もよくおこなわれるロープを上下に振ったバトルロープのトレーニング方法を解説していきます。
- 1本のバトルロープを用意して、ロープの真ん中を柱などにくくりつけて固定します
- 柱などがない場合はかわりに重いダンベルなどを置いて固定することもできます
- トレーニングパートナーがいれば、2本のロープを2人で持って一緒にトレーニングしてみましょう
- ロープが伸びきらない程度に離れた場所に立ってロープの両端をしっかり握ります
- 9mのバトルロープを利用するなら3~3.5mぐらい離れた場所がいいでしょう
- 両腕を交互に縦に思い切り上げ下げしながらロープを蛇のように波打たせていきます
- できるだけすばやくテンポよくおこなっていきます
- 腕を下げる時はロープで床を打つような感覚でおこなってください
- この動作を一定時間繰り返していきましょう
バトルロープトレーニングのバリエーション
バトルロープのトレーニングには、上で説明したような両腕を交互に上げ下げしてロープを波打たせるトレーニング方法(オルタネイトバトルロープウェーブ)以外にもたくさんあります。
バトルロープのトレーニング方法の中でも、比較的人気なバトルロープのトレーニング方法を下へ簡単に紹介しておきます。
バトルロープヒップトス(ロープを握ったまま体をひねっていく方法)
バトルロープを握った状態で、腰を起点にして左右それぞれに体をひねっていくトレーニング方法。
バトルロープの負荷を加えた状態で体をひねり、お腹の横にある腹斜筋へ大きな刺激を加えていくことが可能になります。
バトルロープイン&アウト(ロープを横に振っていく方法)
このバトルロープイン&アウトは、両腕を横へ動かすことでロープを横に振っていくトレーニングです。
その効果としては、肩の三角筋の前部や中部、そして上腕裏の上腕三頭筋により大きな刺激を加えていくことが可能となります。
バトルロープウェーブ(両手を同時に上げ下げしていく方法)
バトルロープウェーブは、左右の腕を交互に上げ下げするのではなく、左右同時に上下して縦のウェーブを作っていくトレーニングになります。
両腕で同時に床へロープを打ち下ろすことで、より腹筋をダイナミックに使って大きな力をだしていくことが可能。
全身を使って両腕でロープを思い切り打ち下ろす場合は、バトルロープウェーブではなく、バトルロープパワースラムの筋トレになります。
バトルロープ回し
両腕に握ったロープをそれぞれ内回し、外回しに回していくトレーニング方法。
このトレーニング方法は、肩や腕の筋肉はもちろんのこと、上半身のより細かい筋肉を鍛えるためにおすすめな鍛え方になります。
また、肩の細かい筋肉を鍛えることで、肩関節の可動域や可動性アップにもつながってくるため、ケガのリスクを低くしていくといった効果も見込めます。
バトルロープのポイント
バトルロープのトレーニングでは、次のポイントを押さえながらおこなっていくようにしてください。
- 基本的には全身をリラックスした状態でおこないましょう
- すばやく動くことができ、筋肉の可動域を目一杯にしてダイナミックに、かつ長い時間トレーニングしていくことが可能になります
- 呼吸をしっかりテンポよく継続していくことが大切
- バトルロープでは基本的に休みなく一定の時間おこなっていくため、呼吸をリズムよく繰り返していくことが重要です
- 下半身の動きを意識しましょう
- 足やお尻からしっかりとパワーが生まれているのを感じて、全身の動きを連携させるようにしていきましょう
- 「ロープの波をどれだけ大きく作れるか」が大事
- ロープの重さ以外にも波の大きさも負荷に関係してきます。また、ロープを固定した場所から離れれば離れるほど負荷は軽くなり、近づけば近づくほど負荷が高くなります
バトルロープトレーニングの効果
バトルロープトレーニングは、上半身の筋肉を中心に全身の筋肉を鍛えていくトレーニングというのは説明したとおり。そして、そのことによりどんな効果があるのかみていきましょう。
バトルロープの効果①:有酸素運動にもなって時間を効率化できる
バトルロープトレーニングを15分程度おこなうことは、全身の筋肉をその間継続して動かしていくことになり、ある程度の負荷の筋トレをしながら、有酸素運動としての効果も同時に手に入れることになります。
その結果、心肺機能の向上はもちろんのこと、持久力を高めていく効果も大きいといえます。
またこのことは、実戦で一定の時間動き続けながらも、強力なパワーを出す必要がある格闘家などにとってはとてもうれしい効果であり、そのことが特に海外の格闘家の間では広くバトルロープが利用されている理由になります。
そして、全身のエクササイズと有酸素運動を同時にできるため、効率よく時間を使えるといったメリットもあります。
バトルロープの効果②:脂肪の燃焼を促進する
有酸素運動では体にある脂肪をエネルギーの源として作っていくため、バトルロープを一定時間おこなうことで、脂肪の燃焼を促進していく効果があります。
そしてそれだけではなく、バトルロープを一定以上の負荷でおこなうことで、アフターバーン効果(高負荷の筋トレなどをした後、脂肪燃焼が高まった状態が一定時間続くこと)もでてきます。
その結果、トレーニング後も脂肪燃焼が高まった状態を維持でき、効果的に体についた脂肪を落としていくことにつながってきます。
つまり、直接的にダイエットにもいい効果があるということですね。
バトルロープの効果③:体の弱い部分を矯正していく
例えば特定の部分を鍛える筋トレの場合、その体の部位は強化できたとしても、他の部位に関してはあまり強化されることはありません。
そして人間の癖として、自分の強みはとことん伸ばしていくのに、弱みをそのままにしてしまうことがよくあり、これは筋トレにも当てはまります。
よくある例が、体の前面はすごく発達しているのに背中が貧弱だったり、上半身はとても筋肉が発達しているのに、下半身がそれほどでもないというもの。
バトルロープの場合は、全身の筋肉を大なり小なり関与させていくことになるため、自分が今まで意識していない弱い部分が強化されていくことにつながります。
それによって、体の筋肉バランスをある程度整えていくといった効果を期待できます。
バトルロープの効果④:関節への負担を抑えてトレーニングできる
バトルロープのひとつの魅力として、関節にかかる負荷を抑えた形で筋肉の強化をしていけるというものがあります。
例えば通常のウエイトトレーニングの場合、健康上の不安がある時などは、関節への大きな負荷を控えるためにも、あまり率先しておこなっていくのは控えることになるかと思います。
しかしバトルロープの場合、関与する関節にそこまで大きな負担を与えることがないため、ケガのリスクを最小限に抑えて筋肉の強化や運動機能の向上をすることが可能になります。
バトルロープの効果⑤:可動性を高める
バトルロープはその動きの中で様々な関節や筋肉を使っていくことになります。その効果として、それぞれの関節の可動性が高まっていくことが期待できます。
多くの関節の可動性が高まり、動きに幅が出てくることによって、同じ動きでもより効率的に力を伝えていくことが可能になったり、柔軟性が増したりしていきます。
スポーツなどの競技でパフォーマンスを高めるためにも可動性は重要なため、バトルロープのトレーニングは運動能力全体を高めていく効果もあるといえます。
バトルロープの効果⑥:安定感を高める
バトルロープトレーニングの効果として忘れてはならないが、体の安定感を高めるということ。
バトルロープウェーブであろうが、バトルロープイン&アウトであろうが、体幹を鍛えていくことになるので、その分、体の安定感を強化していくといった効果を見込めます。
体の安定には体幹周りの筋肉が大きく貢献しており、この部分の筋肉が強化されることで、様々な動作を安定的に力強くおこなっていくことが可能になります。
また、体幹の強化は姿勢の改善にもつながります。バトルロープトレーニングを通して、抜群の安定感を手に入れていきましょう。
バトルロープのトレーニングと効果|全身の筋トレにおすすめなバトルロープの使い方とは?のまとめ
バトルロープトレーニングのやり方や効果についてみてきました。
バトルロープは専用のロープと場所さえあれば気軽に誰でも始められる全身の筋トレです。
また、筋肉の強化から有酸素運動まで幅広い効果をもっているのも魅力です。
もしバトルロープをおこなう場所があるのであれば、是非普段の筋トレメニューに加えていってみましょう。きっと今までの筋トレとは違った効果をすぐに実感できるはずです!