筋トレ前の食事について見ていきます。トレーニング中にエネルギー切れにならないためにも、そして筋肉の成長のためにも、おすすめな食べ物と一緒に詳しく確認してみましょう。
トレーニングを続けていると筋トレ前の食事について気になることが増えてきますよね。
「何を食べればいいのだろう」
「いつ食べればいいのだろう」などなど…
もし筋トレ前の食事について少しでも気になったら、トレーニング前に食事を摂るべき理由や摂るべきタイミング、そしておすすめな食べ物について確認してみましょう。
さらに、筋トレ前の食事に関して他にも覚えておくとよさそうなちょっとしたポイントも紹介。トレーニング中のパフォーマンスを最大化して、筋肉を成長させていくためにも要チェックです!
目次
筋トレ前の食事が大切な理由
筋トレ前の食事について、どんなタイミングでどのような食べ物を摂取していったらいいのかを見ていく前に、まずは筋トレ前の食事が大切な理由について簡単に見ていきましょう。
筋トレに必要なエネルギーの補給のために大切
筋トレを行うにしろ他の運動を行うにしろ、身体を動かすにはエネルギーが必要。そして筋肉にとって、最も素早くしかも効率的に利用できるエネルギー源がグリコーゲンと呼ばれる物質。
グリコーゲンは、炭水化物を摂取した後に分解されるブドウ糖がたくさんつながったもので、肝臓や骨格筋(筋肉)に一時的に貯蔵され、筋肉を動かす際には最も利用効率のいいエネルギー源となります。
つまりグリコーゲンを筋トレ開始前までに十分に体内へ貯蔵できているかどうかが、トレーニング中にベストなパフォーマンスを発揮できるかどうかに影響してくるということです。
筋トレ前の食事についてはあまり気にかけない人が多いですが、パフォーマンスを高めるためにも筋トレ前にエネルギー源となるグリコーゲンを貯めるためにも、炭水化物を十分に確保することが、筋肉を鍛える上ではとても大切になってきます。
怪我のリスクの抑制
さらに、筋トレ前の食事をして十分なエネルギー源を体内に入れておくことは、怪我のリスクを抑えるという観点でもとても大切。
筋トレの最中に体内から必要なエネルギーがなくなってしまうと、運動のパフォーマンスが落ちるだけではなく、トレーニング中の集中力が続かなくなってしまったり意識が朦朧としてしまうことがあります。
そうすると、集中して正しいフォームを繰り返せなくなってしまったり、不注意な状態で重いウェイトを扱うことになり、思わぬところで怪我につながってしまう可能性が高くなってしまいます。
筋トレで成果を出していくために最も重要なのは、怪我を回避してトレーニングを継続していくこと。
筋トレ前の食事は、エネルギー源を確保して集中力を継続させ、不注意で起こってしまう怪我を回避するためにも重要なポイントになってきます。
筋肉の分解を防いで合成を増やす=筋肉の修復&成長を促す
筋トレ前にしっかりと食事を摂っておくのは、筋肉の修復と成長を促すためにも大切。
トレーニング中に体内のグリコーゲン貯蔵量が急速に消費され尽くしてしまうと、体は筋タンパク質を分解してアミノ酸を取り出し、身体活動に必要なエネルギーとして使っていこうとしてしまいます。
これはつまり一生懸命太くしてきた筋肉を分解して細くしてしまうということです(カタボリック状態)。
そうならないために、筋トレ前に炭水化物を摂取してグリコーゲン貯蔵量を増やしておくことはもちろんのこと、タンパク質を摂取して血中にアミノ酸を充満させておき、筋肉の分解を抑制していくことが大切。
また、筋肉の成長には「筋肉の合成>筋肉の分解」となる必要がある。
つまり相対的に筋肉の合成量が分解量を上回ることで、筋肉の修復や成長につながってくるため、筋トレ前に十分な栄養素を摂り分解を抑制しておくということは、筋トレ後の筋肉の修復や成長を考えた場合に大切になってくるといえるのです。
筋トレ前に食事をとる場合の時間って?
筋トレ前に食事を摂ることの大切さについて見てきましたが、ここで筋トレ前に食事を摂る場合の時間について確認していきましょう。
「筋トレ前」と一言でいっても、実は筋トレ前に食事を摂るタイミングというのは大きく2つに分けることができます。
その2つとは次のとおり。
- 筋トレ直前
- 筋トレ2~3時間前
筋トレ直前の食事
筋トレ直前とは、基本的には筋トレ開始の15~60分ぐらいの間。
この筋トレ直前の時間帯に食事を摂る必要がある場合というのは、それまでに十分な食事をしていなくて体内にトレーニング中に必要な栄養が充満していない状態の時。
この場合、摂取してからすぐにエネルギー源として必要な形に分解・吸収できる食べ物を食べる必要があります。その食べ物とは、グリコーゲンとアミノ酸補給を考えた場合次のようなものが目安。
- グリコーゲンを確保するための炭水化物
- →単純炭水化物の食事(白米、フルーツなど)
- アミノ酸を確保するためのタンパク質
- →ホエイタンパク質
- →アミノ酸自体(EAAなど)
また、食事量も軽くしておき、その後のトレーニングに支障が出ないようにしておくことが大切です。
筋トレ2~3時間前の食事
筋トレ2~3時間前というのは、通常の食事をしたとしても筋トレ開始までに、食べ物の消化に必要な時間がまだ十分にあるタイミング。
この場合は、単純炭水化物が長く連なった複合炭水化物を摂取していくのがベスト。
複合炭水化物は、消化から吸収までゆっくりと行われていくため、筋トレ前の2~3時間前ぐらいに適量を摂取しておけば、体内にグリコーゲンも十分に溜まり、筋トレ直前に急いで何かを食べる必要がなくなります。
- グリコーゲンを確保するための炭水化物
- →複合炭水化物の食事(パン、麺、穀類など)
- アミノ酸を確保するためのタンパク質
- →最低でも20gのタンパク質を含んだ通常の食事
筋トレ前の食事:目的別
筋トレ前に食事を摂るタイミングについて確認してきましたが、ここからは筋トレ前の食べ物としておすすめなものを、トレーニング直前とトレーニング2~3時間前に分けてそれぞれ紹介していきます。
トレーニング直前におすすめな食べ物
バナナ
バナナは天然の糖であり、単純炭水化物を含むトレーニング直前にとてもおすすめな食べ物。食べやすいのはもちろん、値段もお手頃なため筋トレを行っている人にとっては強い味方です。
ちなみに、バナナにはカリウムというミネラルも豊富に含まれているため、エネルギー源としてだけでなく筋肉を正常に動かすという点でもおすすめ。
カリウムは筋肉を収縮させる神経に働きかけるもので、カリウムが体に十分にある状態だと筋肉が力強く収縮することができるようになるからです。
トレーニング直前にはバナナを摂取してグリコーゲン値とカリウム値を高め、エネルギーが十分な状態で筋トレを開始しましょう。
ドライフルーツ
多くのフルーツは、天然の単純炭水化物が豊富に含まれています。フルーツを乾燥させてさらに食べやすくなっているドライフルーツは、トレーニング前の食事としてグリコーゲン値を高めていくためにもおすすめな食べ物。
ジム用のカバンにドライフルーツの袋を忍ばせておけば、いつでも筋トレ直前に単純炭水化物の補給ができるようになりますね。
フルーツスムージー(できればプロテインミックス)
単純炭水化物が多く含まれるフルーツを、スムージーにしてトレーニング直前に摂取するのもおすすめ。
スムージーの形であれば一緒に水分も摂れて筋トレ前の水分補給にもなるし、素早くエネルギーに変換されます。
さらに、ただのフルーツミックスだけでなく、そこへホエイプロテインパウダーをミックスすれば、炭水化物だけでなくタンパク質も補給できるので、筋肉の分解を防ぐために必要な血中アミノ酸値を高めておくためにもおすすめですよ。
ホエイプロテイン
筋トレ直前にとにかくタンパク質補給がしたいなら、ホエイプロテインがおすすめ。
プロテインの中でも吸収の早いホエイプロテインなら、筋トレの30分前に摂取したとしても、トレーニング中にはアミノ酸が血中に供給されてくることになるので、アミノ酸値を今すぐに高めたい場合には必須で飲んでおきましょう。
さらに、プロテインの中にハチミツなんかを加えれば、味をよくして単純炭水化物も摂取できるのでさらにおすすめですよ。
トレーニング2~3時間前におすすめな食べ物
全粒粉パンや玄米
全粒粉パンや玄米などは複合炭水化物の中でも、様々な食事にあうのでおすすめな食べ物。
筋トレの2~3時間前にゆっくりと食事を摂れるのであれば、全粒粉パンや玄米を炭水化物源として摂取してみましょう。
また、サツマイモなんかも同じような複合炭水化物なため、体内のグリコーゲン値を高めるためにもおすすめです。
オートミール
特に朝食に食べる人が多いかと思うので、午前中にジムへ行って筋トレをする予定がある日には特におすすめ。
ちなみに、ミルクと一緒にプロテインパウダーも加えれば、炭水化物だけでなくタンパク質も豊富な筋トレ前の食事のでき上がりです。
筋トレ中に筋肉が分解してしまうのを防ぐためにもおすすめです。
皮なし鶏胸肉や赤身肉
タンパク質を筋トレ2~3時間前に補給しておきたいなら、皮なし鶏胸肉や赤身肉などの天然の動物性タンパク質食材を食べるのがおすすめ。
これらの天然のタンパク質食材であれば、2~3時間をかけて消化されていった後、血中にアミノ酸を充満させることが可能。筋トレを開始した後も、筋肉の分解を抑えていくことができます。
さらに、動物性タンパク質は、筋肉を作るために大切な必須アミノ酸を全て含んでいるタンパク質であるため、筋肉のことを考えた場合、最も効率的に利用できるタンパク質を摂取できることになります。
卵
鶏肉や赤身肉には負けるものの、卵も筋トレ前の食べ物のとして動物性タンパク質を多めに含んでおり、料理の食材として様々な利用ができるためおすすめ。
さらに、筋肉の成長を間接的にサポートするビタミンやミネラル、そしてオメガ3脂肪酸などが豊富に含まれている点もGood。
オムレツなんかを卵で作れば、タンパク質だけでなく炭水化物も摂取でき、トレーニングを開始する前にグリコーゲンとアミノ酸を体内に充満させていくことができますよ。
筋トレ前に摂る食事に関して他にも知っておくといいポイント
筋トレ前に食事をするべき理由からタイミング、さらにおすすめな食べ物について見てきましたが、最後に筋トレ前の食事に関して他にも知っておきたいポイントについて触れておきます。
筋トレ前の食事では脂質を控えめに!
筋トレ前の食事では脂質を摂りすぎないようにすることが大切。
脂質は消化に時間がかかる栄養素であるだけでなく、脂質を消化するために内臓が働くことで、一緒に摂った他の栄養素までも消化に時間がかかるようになってしまいます。
そのため筋トレ2~3時間前ならまだしも、直前の場合は脂質の摂取は控えるのがいいです。
さらに脂質を取りすぎると、エネルギーが増す代わりに体が重いとか動きが鈍くなったといった感覚になり、トレーニングで最高のパフォーマンスが発揮できなくなってしまうこともあるので注意しておきましょう。
筋トレ直前では食物繊維の摂取も抑えるべし!
食物繊維は日常的に摂取すべき大事な栄養素としても知られているもの。しかし筋トレ直前の場合は、食物繊維の摂取も控えるのがおすすめ。
というのも、食物繊維は脂肪と同じく消化吸収の速度を遅めてしまうため、筋トレ直前には控えた方がいいです。
消化の速度が落ちると、筋肉や体を動かすために重要な栄養素を体内へ充満できなくなってしまいます。
胃の調子が悪い時は軽めで小分けに!
筋トレの2~3時間前に十分な食事をして、筋トレに必要な栄養素を体内に吸収しておくことは効果的。
ただ、もし胃の調子が悪いけど筋トレは休みたくないといった時は、筋トレ2~3時間前の食事の量を控えめにして、その分筋トレ直前に、控えめな単純炭水化物とタンパク質の補給をしてみましょう。
一度に多く食事をするより、胃のムカつきを抑えながらも必要な栄養素を摂取することができるようなります。
タンパク質の一回の摂取量
筋トレの直前2~3時間前に限らず、タンパク質を摂取する際には、1回で1日のタンパク質摂取量の大半を摂取するといったことは控えるようにしましょう。
なぜなら、タンパク質は1回の吸収可能量が決まっているため、多く摂取したからといって、その分吸収されるわけではないのです。多く飲みすぎても吸収されてなかったタンパク質は無駄になってしまい、効率がとても悪くなってしまいます。
そのため、20~30gというのをひとつの目安として、あまり多くタンパク質を取りすぎないようにすることがいいかと思います。
(※1回でタンパク質を吸収できる量は30gよりも多いが、吸収された後に必要ないと判断されたタンパク質は脂肪として蓄積されたり体外へ排出されてしまうため、非効率になってしまう。また、こまめに摂取した方が空腹を抑えやすいという利点がある。)
筋トレ前の食事とトレーニング前におすすめな食べ物|時間などにも触れて確認!のまとめ
筋トレ前の食事について、大切な理由と摂取タイミング、さらにおすすめな食べ物までを紹介してきました。
筋トレ前の栄養補給は大切。筋トレの成果をもっと高めていけるように参考にしてみましょう!